さくら塾が教えているのは解き方だけじゃないんです

学習のお話
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こんにちは、なまはげおじさんです。

君津のさくら塾のブログへようこそ。

今日は数学のお話です。
 
 
 

なぜか説明できる?

昨夜の3年数学より。

問.下図の台形ABCDの面積を求めなさい。
 
 

 
 
 

答えを求めるには

台形の面積は、

(上底+下底)×高さ×1/2

で求められます。
 

つまり、

(8+20)×高さ×1/2

となるので、高さが求められたら勝ちとなるわけです。
 

ですから、問題を次のように言い換えることもできます。
 

問.下図の台形ABCDの高さを求めなさい。
 
 

 
 
さて、高さを求めるにはどうすればよいでしょうか。

……補助線ですね。

「高さ」にあたる線を実際にひいてみるのです。手を動かすことが大事。そうしたら、いろいろ気づくこともあるはずです。

こんな感じ。
 
 

 
 
あら、わかりやすい!

2本の垂線AE,DFがひけたら、この問題はもう解けたも同然です。
 
 

図形の対称性から、

①BE=CFなので、
  BE=6cm
②BE=6,AB=10なので、
 △ABEは3:4:5

答.AE=8cm

となり、台形の面積は 112 であることがわかります。
 
 
 

解き方だけ?

実はこの問題は、教科書とテキストを使えば自学でも十分やれる基礎問題です。わざわざ進学塾の授業で扱うようなものではありません。

しかし、昨夜の授業で、私はこの問題に10分以上時間を使い、じっくり考えさせ、そして説明しました。

図形の基本的な考え方を確認することのできる、栄養たっぷりの問題だったからです。
 
 

さくら塾が教えるのは、解き方だけではありません。

ほかの問題にも通じる発想の仕方
王道の着眼点
異なるアプローチでの解き方

などなど、初見の問題への対応力を高めるために、プラスアルファをいろいろと仕込んでいます。
 

また、どういう力を伸ばしたいのかを常に意識して発問し(少人数なのでバンバン指名される環境)、さくらっ子の脳みそをコネコネしています。
 

その問題で、生徒に何を教えられるか。そこに指導者としての力量(単元観、経験、生徒ひとりひとりの学習状況の把握、……)が問われている。私はそう考えています。
 
 

昨夜の授業でも、私はさくらっ子に問いかけました。
 
 
 

なぜ?の追究

さくらっ子に丁寧に考えてほしかったのは、下図でなぜ BE=CF と言いきれるのか、ということ。
 
 

 
 
これ、誰でもパッと見て BE=CF だよね、と納得できちゃうんですけど、なぜそうなるのか説明しなさいと言われると、これが結構大変。

この「結構大変」なところにスポットを当てて、じっくり考えさせました。証明の基礎的な考え方や、図形の基礎的な知識を確認する絶好のチャンスだったからです。

こんな流れです。
 
 

問.BE=CFになることを証明しなさい。
 

①四角形AEFDは長方形である
 なぜ?
 →4つの内角がすべて等しいから
 なぜすべて等しい?
 → AD//BCだから、
  平行線の錯角は等しいので

②よって、AE=DF
 なぜ?
 → 長方形の向かい合う辺は等しいから

③だから、△ABE≡△DCF
 なぜ?
 → 直角三角形の斜辺と他の1辺がそれぞれ等しいから

④したがって、BE=CF
 なぜ?
 → 合同な図形の対応する辺は等しいから
 

なぜそうなるの?

と次々繰り出されるいう私の問いかけに、さくらっ子たちは負けずに答えていました。

よく頑張っていましたよ。
 
 
 

図形の問題では、図を見てパッと気づいたこと、いわゆる「カン」によって短時間で問題を解けることもあります。

しかし、「なぜそうなるのか」を自ら問い続ける姿勢こそが数学という教科の本質です。そういう習慣のない人は応用問題にはまず歯が立ちませんし、高校入学後にどんづまりになりがち。
 

あれ、なんで?

気になるな……

調べてみよう!

 
なぜ?を追究していく姿勢そのものを育てていきたいです。
 
 
 
 
 

以上、昨夜の数学のお話でした。

それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
 
 
  

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