ちょっとしたハンデがあっても何とかなるよ

なまはげコラム
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 なまはげおじさんです、こんにちは。

 さくら塾のブログへようこそ。

 今日は私のごく個人的な秘密についての打ち明け話です。
 
 
 

私は色の判別が苦手である

 秘密の打ち明け話なんておおげさに書きました。たいしたことじゃないんですけどね。私ね、色の判別が苦手なんですよ。

 世界はカラフルに見えてはいるのですが、ひとつひとつのものを指差して「これは●色」「こっちはうすい▲色」とかはちょっとムリなのです。

 快晴の空の色の青はものすごく好きですが、「うすい青」「青」「濃い青」などいろいろなバージョンの青を並べられて、それを識別しろなんて言われたら冷や汗が出ます。
 
 

緑の顔

 私がそんな自分の特性に気がついたのは、小学校1年生のときでした。5月の授業参観に向けて、母親の似顔絵を描いたんです。全員の作品を教室の背面に掲示しまして。そのときにすでに友だちに何か言われたのですが、特に気にもしませんでした。

 ちょっとした騒ぎになったのは、授業参観当日です。集まったお母さんたちみんなが、私の絵を見てざわついていました。

 その絵は、顔の色が緑色で塗られていたのです。
 

 母に悪いことをしたなぁ恥をかかせてしまったなぁ、そう今でも思い返す、忘れたいのに忘れられない思い出です。この担任の先生もすごいよね、よく掲示したなぁ(笑)。
 
 

苦手なコト

 その後大きな病院で検査してもらった結果、色弱である(現在は先天色覚異常というようですな)と診断を受けました。けっして珍しいことではなく、男性であれば20人に1人、すなわち5%があてはまるのだそうです。きっと、あなたの周りにも、そういう方はいると思いますよ。

 色覚に異常があると具体的にどういうことが苦手になるか、簡単に書いてみますね。あくまでも私の場合ですが。

 まず、服を買うことやコーディネイトすることが苦手です。ユニクロなどの店内が明るいお店であれば問題ないのですが、照明を抑えめにしたオサレなお店だと、「コレ、いったい何色なんだろう・・・?」となってしまいます。また、色の組み合わせが適切なのかについては、いまだにまったく自信が持てません。よって、白・黒・グレーという無難な服が増えていきます(笑)。

 当然、瞬間的な色の見分けも苦手です。「ほら、あの●●色の服着てる人」なんて言われると、内心ものすごくドキドキします。ちょっとしたパニックを起こしちゃうんですよ。口にこそ出しませんが、「え、どれ? どの人が●●色なの???」とアワアワしてしまいます。

 瞬間的でなくても、色の判別を迫られること自体がストレスです。美しい自然を見るのは大好きなんですが、その中のひとつの植物だけに絞ってフォーカスするとき、「この葉は何色と表現するのだろう」などと考え始めると途端に滅入ってきます。おぉ、我ながらメンドクサイ(笑)。

 あとね、焼き肉、これも実は得意じゃないんです。焼けてんのかまだなのかが、実にわかりにくい。焼き肉屋さんって、照明が自然光の色味とは違うところが多いでしょう? それがますますわかりにくくしてる気がします。焼き肉にたまに行くと、まわりのメンバーに「ねぇこれもう食べられるの?」と子供のように尋ねまくっています(笑)。
 
 

世界は優しくなってきた

 ユニバーサルデザインってご存知でしょうか。今や英語や社会の教科書に掲載されるようになりました。誰にとっても無理なく使いやすいデザインのことです。左利きの人でも使いやすい両利き用のハサミなども含まれるでしょう。

 私はユニバーサルデザインに助けられています。

 洋服のタグ「green」「dark green」などと印字してあるのを見て、こんなの見りゃわかるじゃんとつぶやく人をたまに見かけますが、いやいや、これが必要なのじゃよ。私はメーカーさんがタグに施すちょっとしたひと手間に救われております。

 最近のゲームでも、色の判別が苦手な人を意識した配慮がなされています。オプションをちょっといじると、グッと見やすい配色に変更されるのです。おぉ、そんなところにゾンビがいたのか、と気づけるわけですね。ありがたし。

 パソコンの表計算ソフトでも、カーソルを合わせるとこんなポップアップが現れます。
 

 
 こういうちょっとした気配りに、私はずいぶん助けられています。ユニバーサルデザイン、ありがとう。
 

 色覚に異常があっても、何とかやっていけています。

 大丈夫、何とかなりますよ。
 
 

お子さんがハンデを持つあなたへ

 このブログを読んでくださっている方の中にも、ひょっとしたら私と同じようなハンデを持っている仲間がいるかもしれません。お子さんがまさにそうだということもあるかも。

 そんな保護者のみなさまに、なまはげおじさんからアドバイスを2つ。
 

 アドバイスその1。色覚異常が判明したら、早めに学級担任と図工&美術&理科の教科担任の先生にそれを伝えてください

 ハンデを持っている児童・生徒にとって、色の判別を迫られたり、それについて叱責を受けたりするのは、結構つらい体験になります。

 もちろん、色の失敗について友だちに笑われたりすることもありましたが、それは人間関係がこなれてくれば、「コイツはこういうヤツなんだな」と理解されて、意地悪なことを言ってくる子もいなくなります。

 友だちのからかいより傷ついたのは、先生の言葉でした。私の場合は、ベテランの理科の先生。きっと、ふざけて色を塗ったと思ったのでしょうな。子どもには、返す言葉が出てこないんですよ。悔しかったなぁ・・・。

 大人が事前に情報共有することで、いらぬトラブルを防ぐことができます。ぜひ、早めに学校に。

※色覚異常であること、『調査書』に記載されることはありません。つまり、進路に悪影響を及ぼすこともありません。気になる方は、学級担任や学年主任の先生にご相談を。大丈夫、心配なさらないで。
 
 

 アドバイスその2。中高生になったら、将来の就職について意識させ、あたたかい言葉をかけるようにしてください

 世の中にユニバーサルデザインが広がり、生きやすくなってはいますが、それでも「向いていない職業」は確実に存在します。

 私は中高生の頃にお風呂の中でひとりで考え込んでいました。例えば、医療系。患者さんの体調の変化を表現するであろう「色の変化」をうまく表現できないだろう・・・、デザイン・印刷など色に深く関わることも、調理することも、警察も、ちょっと向いてないだろうなぁ、と。

 確かにそういった職には就けないかもしれませんが、大丈夫。「向いている職業」もあるはずですし、その中に「やってみたいお仕事」もきっと見つかるはず。将来の就職について話題にするときには、「こういう関係のお仕事であればあなたの良さを活かせると思うよ」などと、ポジティブな提案を心がけてくださいね。
 
 
 
 
 

 以上、色についてのお話でした。うむ、心の中のことを書き出したら、ちょっとスッキリしたぞ(笑)。

 それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
 
 
 

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