なまはげおじさんです、こんにちは。
君津のさくら塾のブログへようこそ。
公立高校入試のお話です。
英語に異変!?
5月27日(火)に、現高1の代の千葉県公立入試のデータが、県教委のサイトで公開されました。
どんな結果になったのかな?
さっそくチェックしてみましょう。
R7入試の平均点
こちらが公開された平均点についてのデータです。

下がりましたねぇ。
マークシート型の答案用紙も2年目、簡単にし過ぎた初年度の反動が出たようです。
もう少し詳しく見てみましょう。
5科計の推移
過去4年分の5科計の推移です。

マークシート導入2年目の5科計は 262.8点。
現高1のみなさんの中には、入試後の自己採点で、期待していたほど取れていなくてガックリしちゃった人も多かったはず。グラフがそれを示しています。
各教科の推移
次は教科別の平均点の推移を見ていきましょう。
国語から。

前期後期制から新制度に切り替わったR3入試以降、初めて平均が55点を超えました。
「これは難しい!」という問題がなかったんです。
それにしても、聞き取り検査も作文もあって点が取りにくいはずなのに、受検生のみなさんよく頑張りました!
――ん?
グラフから判断するに、R8入試の国語は難しくなる、てことかな???
数学です。

入試初日の2コマめに行われる数学。
1コマめの国語でうまくいかずに動揺してしまった受検生が、ミスを連発して崩されてしまう……これが「千葉県公立入試あるある」です。
しかし、今年は国語が普段より易しかったこともあり、この意味での大失敗は例年より少なかったのかもしれませんね。
3教科目は、英語です。

2年前の悪夢、ふたたび。
大きく平均点が下がりました。
55点から大きく離れるどころか、ここ十数年でワースト。
最低記録の更新ですよ。
私も実際に解いたのですが、こんなに下がるとは思わなかったので、データを見て驚きました。
今年は、英語の結果が合否を決定づけた学校も、少なくなかったかもしれません。
※入試翌日の国語・数学・英語の分析記事はコチラ。
次は理科。

年度によって平均点の変動が激しいのが、この教科の特徴です。ちょっとさじ加減を間違えてしまうと、平均40点台になることもあります。
R7入試は、前年よりやや難化し、平均55点となりました。
県教委の中の人、イメージ通りの結果になってガッツポーズしてそうです。
最後は、毎年ほとんど平均点が変わらない社会。

「県教委は各教科の平均点が55点あたりになるように問題を作っている」と私は考えています。
平均点が高すぎると上位校の合否判定が大変になりますし、低すぎるとその逆になってしまいますから。
毎年大きな変動もなく、常に安定していたこの教科。R7入試はちょっと難しかったようですが、それでも55点から大きく離れるような結果にはなりませんでした。
※入試翌日の理科・社会の分析はコチラ。
各教科の傾向
公立入試における教科ごとの傾向をつかむには、得点分布に目を向けるのがオススメです。県教委が得点分布のグラフを公表してくれていますよ。
濃い青紫色のR7入試のグラフに、無理やりR6入試の黒いグラフを重ねてみました。
データの厳密性には欠けますが、グラフの概形の比較と割り切ってごらんください。
まずは、国語。

美しい左右均等なグラフ。
この教科だけは毎年こうなります。
今年のグラフは去年より右にあるので、「昨年度より点数を取りやすい出題だった」と言えるでしょう。
しかし、90点台は今年もほとんどいません。グラフを読みとると、
95 ~100点 0%
90 ~ 95 ほぼ0%
85 ~ 90 1.5%
80 ~ 85 4%
といったところ。
80点以上取れたのは、全体の5%程度しかいないんです。
「千葉県の国語は高得点が取りにくい」
「入試本番で80点以上とれたら大成功」
というのがよくわかると思います。
※なぜ千葉県の国語が高得点を取りにくいのかについては、コチラの特集記事をどうぞ。
※SS65を超える県船橋・県千葉・東葛飾・千葉東はまさに上位5%のたたかいなので、80点以上とれないと勝負にならない、というデータでもあります。
※現中2の代から、入試本番で国語の「聞き取り検査」がなくなります。傾向がガラッと変わることになるでしょう。
次に、数学。

平均の52点から離れたところがボコっとふくらんでいる、ちょっといびつなグラフです。
グラフを目分量でチェックすると、
95 ~100点 0.5%
90 ~ 95 1%
85 ~ 90 2%
80 ~ 85 4.5%
となります。
およそ8%の受検生が80点以上とれていたようです。これは、昨年度とほぼいっしょ。
この教科は、毎年、ミスをせずに確実に得点するという意味で、「守備力」が問われます。R7入試も、昨年度同様にその傾向が強かったと言えるでしょう。
3教科目は、英語。

君津市周辺では、中学校に入学した時点で「英語が得意グループ」と「苦手グループ」にはっきり分かれていて、学年が上がるごとにその基礎学力の差が大きくなっていきます。
黒く示した昨年度のグラフを見ると、君津市だけではなく、千葉県全域で同じようなことが起きていることがわかります。
しかし、あらためて今年の問題を見直してみると、全体的に英単語がやや難しく、複文や後置修飾がもりだくさんで「英語が得意グループ」の人でも苦戦させられたようです。
グラフの右側が、ぺしゃんこになっています。
高得点の割合は、
95 ~100点 1%
90 ~ 95 2%
85 ~ 90 3%
80 ~ 85 3.5%
なので、およそ10%が80点以上得点できたようです。国語や数学よりは割合が大きいですが、昨年度は、
90点以上 8%
80点以上 21%
というデータでしたから、今年の結果は大きく傾向が変わったと言えるでしょう。
英語を「何となく理解している」層が、「長文読解の演習量不足」で崩されてしまったのかもしれません。
4教科目は理科。

平均点は55点ですが、最も多いのは 40 ~ 45 点です。
基礎問題は67点分も出題されていますから、この結果はイマイチと言えるでしょう。県教委もきっと「もう少しできてほしいなぁ」と困ってるのでは。
95 ~100点 2%
90 ~ 95 3%
85 ~ 90 5%
80 ~ 85 5%
80点以上が15%もいます。
そうなんです、千葉県の理科はけっして難しいわけではないんですよ。
ただ、数学と理科は、誰か質問できる相手がいないと、自学していても詰まってしまうことが多いんですよね。「ナニコレ、わかんない」って。
中学校の先生にガンガン質問に行くか、または塾の先生にお願いするのがよいでしょう。
最後は社会。

あれれ、おかしな形のグラフになりましたよ。
英語のグラフに似てるかな。
高得点者の割合は、
95 ~100点 0.5%
90 ~ 95 2%
85 ~ 90 3%
80 ~ 85 4.5%
80点以上がおよそ10%ですか。英語と同じだ。社会もだんだんと点の取りにくい出題に変わってきましたね。
願わくば、中学校の公民の授業をもうちょっとだけ丁寧に進めていただけると、ありがたいのですが。
最後に5科計です。

復習確認テストなどの模試でいつも高得点を連発している人でも、入試本番で450点以上とるのは非常に難しいのが現実である、このことを知っておいてください。

これは毎年のことですが、県船橋・県千葉・東葛飾・千葉東の受検生は、425~450点の間にズラーっと並ぶんですよ。合否を決定するのは、わずか数点の差。
調査書の『5段階評定』を軽んじている人はいませんか。千葉県公立入試は、わずか数点を争うたたかいです。
定期テストも全力で取り組んで、高い評定を目指してくださいね。
はい、まとめ。
●450点以上はなかなかとれない
●国語は80点以上とれたら成功
●上位校なら英語・理科・社会は90点台を目指そう
●定期テストに全力で取り組むべし
以上、千葉県公立入試のデータ特集でした。県教委のデータはコチラ。
それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
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