二学期制、心配なことが1つあるんです

ローカルなお話
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こんにちは、なまはげおじさんです。

君津のさくら塾のブログへようこそ。

今日は二学期制について、リライト。
 
 
 

ローカルなお話

今年度、さくら塾近隣では、二学期制の中学校が多数派になりました。

1学期
2学期
3学期

ではなく、1年間を

前期
後期

と分ける方式です。
 
 
 

二学期制の登場

2003年の中央教育審議会で、「教育課程を適切に実施するために必要な指導時間の確保」という方針が打ち出されました。

土曜に授業をやらないことにしたら授業時数が足りなくなっちゃったね、なんとかして増やそうね、ということです。

そこで導入されるようになったのが、二学期制です。
 
 
 

二学期制のメリット

二学期制の良さはいくつかありますが、1つだけ挙げるなら、やはり「学期」が減ることにつきます。

通知表の作成回数を減らせる。

すなわち、通知表作成に必要な「期末事務処理」の回数が少なくなるので、学期末恒例の午後の早帰りなどを減らせるわけです。

そのぶん、授業ができます。
 
 

……1つだけ挙げるメリットがそれなのか、という声が聞こえてきそう笑

「二学期制でなければ実現できない素晴らしい何か」をうんうんうなりながら考えてみたんですが、私には思いつきませんでした。

実際、二学期制を導入したものの、三学期制に戻したところも結構ありますからね。あんまり意味ないよね、って。
 
 
 

ここが困るよ

二学期制は、進路指導で困ることがあります。いや、正確に表現すると、「生徒が困るような対応をする学校が出てくる可能性がある」かな。

通知表についてです。
 
 

三学期制の場合、生徒に通知表が渡されるのは、

1学期末 7月
2学期末 12月
3学期末 3月

の3回。

このうち、受験生である3年生が一番ドキドキするのは12月。なぜなら、2学期末の通知表を見れば、『調査書』の「必修教科の評定」がだいたいわかってしまうからです。
 

 
「第1学年」「第2学年」の評定は3学期末までをトータルしたものですが、「第3学年」については12月までの学習成績で(=1・2学期の成績だけで)作成されるんです。

つまり、12月に通知表を渡される生徒は、「国語は1学期が4、2学期も4だから、年間評定は4で確定かな」と推測することができるわけです。こんな具合に。
 

 
赤く塗ったマスの 96 という数値がいわゆる内申点、入試の合否判定に使われます。ライバルの持ち点が 106 だったら、本番のテストで10点多く取らないと追いつけないわけですね。

ですから、進路指導の現場では、この数値を確認して「受験予定の高校では、キミの立ち位置はこのあたりになる。本番で相当の高得点を取る必要がある」などと受験校を再検討するよう促すこともあるんです。

「第3学年」の評定を推測できるというのは、それくらい大事なことなんです。
 
 

一方、二学期制の学校で生徒に通知表が渡されるのは、

前期末 10月
後期末 3月

の2回です。

12月に自分の成績データをもらえないんです。「第3学年」の評定を推測できないんです。『内申点』がわからないんです。

その状態で公立高校に願書を出さなければならないというのは、大変なハンデです。この1点において、二学期制より三学期制の方が生徒に優しいと思います。
 

この冬の各中学校の対応に注目しています。三者面談で「第3学年」の評定を伝えてくれた、という学校も過去にありました。全く公開せず、というところもありました。
3月、受験を終えてから開示請求をして、そこで初めて自分の『内申点』を知り、「こんなに低いのなら、この高校を受験するのはやめてたよ……」と受験生がショックを受けるなんてことがないといいなぁ。

 
 
 

なぜ二学期制?

きっと、何か深い理由があって、二学期制を採用しているんだと思うんですが、進路指導について無視できないデメリットもあるわけで。

各中学校は、こういう理由で二学期制にこだわってます、って発信すべきかもしれませんね。
 
 
 
 
 

それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
 
 
 

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