【令和5年度入試】公立入試、採点ミス大量発覚

千葉県の高校入試
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こんにちは、なまはげおじさんです。

君津のさくら塾のブログへようこそ。

今日は例のニュースについて。
 
 
 

どうする県教委

昨日の午後、飛び込んできたニュースを見て、ひっくり返った人が多かったのではないでしょうか。

私もそうでした。二十数年も高校入試に関わっていますが、こんなの初めてですもん。

公立高校入試、採点ミス933件発覚――!
 
 
 

県教委の発表内容

報道が先になりましたが(対応が後手後手になっちゃってますね)、県教委は昨日夕方、公式サイトにサマリーを掲載しました。
 
 
 

経緯

 3月8日に県立小金高校に答案に対する自己情報開示請求があり、当該受検者の答案を確認したところ、採点の誤りがあることがわかりました。3月9日に他の受検者についても確認したところ、複数教科で複数名にわたる採点の誤りが発覚しました。
 これを受け、同様の誤りがないか、また、合否に影響することがないかを確認するため、3月10日から15日まで、全公立高等学校において学力検査の答案の一斉点検を実施しました。

県教委発表

 
自己情報開示請求、すなわち自分の答案用紙を見せてくれと正式に請求したんですね。

おそらく、
 

口頭による開示請求
 ↓
自己採点とかけ離れている
 ↓
採点ミスでは???
 ↓
自己情報開示請求
 

という流れだったのでしょう。

1人の受検生が勇気を出して放った小石が、1週間ほどで大きな波紋になり、千葉県中の公立高校で大騒動が始まったのです。
 
 
 

一斉点検の結果

県教委によると、採点ミスがあった学校数及び件数は、

県立高校
 120校中92校
 870件
市立高校
 7校中 6校
 63件

割合で表すと、
 

県立高校の約76.7%で採点ミスが起きている。その数は、1校につき平均9.4件。市立高校はその割合がもっと高い。

 
……うわぁ、思ってたよりずっとひどいぞコレ。
 

第9学区では、

君津商業  5件
木更津  29件
君津    4件
袖ヶ浦  11件
市原    3件
京葉    1件
市原緑   2件
市原八幡  3件

え、木高29件って多すぎない??? これホントに合否に無関係だったんかなぁ。このブログを読んでモヤる方もいらっしゃるかもしれんなぁ……。
 

第1学区を一部紹介すると、

県千葉   2件
千葉東   5件
幕張総合 61件

となっています。幕総は受検者がまわりの学校の数倍いますから、こういうときに悪目立ちしちゃいますね。
 
 

一部報道によると、1教科で本来の得点より10点低く採点されたケースもあったようです。

定期テストではたまにありますけど、入試でもあるんですねぇ……。10点って、合否に直結するほど大きな数字じゃないですか。塾のおじさんは大ショックですよ。
 
 
 

さて、気になるのは、実際にどれほどの影響が出ているのか、ですよね。採点ミスのために不合格になってしまった人が、どれくらいいるのか

学校及び人数が公表されています。

県立津田沼高校  2名
県立松戸高校   1名
県立柏中央高校  1名
県立成田北高校  1名
千葉市立稲毛高校 1名

6人!

なんてこったい……。
 
 
 

対応

(1)本来合格とすべきところ不合格としていた受検者に対し、謝罪の上、入学許可候補者決定通知を手渡し、入学に向けて必要な説明や相談を丁寧に行います。すでに当該校長が対応しています。
(2)すでに口頭による得点のみの開示を行った者のうち、点数に誤りのあった受検者に対し、謝罪の上、訂正後の得点を伝えています。

県教委発表

 
「入学に向けて必要な説明や相談を丁寧に」とありますが、一部報道によると、すでに私立高校に支払っている入学金などは補償するとのこと。
私立高校の制服、すでに出来上がっているはずなんですが、この費用も対応してくれるんでしょうか
 

それとですね、これも県教委発表にはないのですが、「この点検によって合格から不合格に変わるケースはない」そうです。

公立高校の制服を手にして喜んでいる人に「すみません、あなたは不合格でした、ゴメンナサイ」なんてことはできませんよ。この対応でいいと思います。
 
 
 

さてどうなる

県教委の発表や報道によって、これからどのような動きが出るでしょうか。
 
 

まず、この入試について、さらに波紋が広がるかどうか。

「僕も」「私も」と自己情報開示請求をする受検者がさらに出てくるようであれば、ちょっと収集がつかなくなりそうです。
 
 
 

次に、昨年度までの入試の合否判定が間違っていたんじゃないか、という話。

各公立高校は、答案用紙を1年間保存することになっていますが、それを過ぎてしまうとおそらく廃棄しているはず。

もはや確かめようがありません。

よって、過去にさかのぼっての騒動にはならないでしょう。
 
 
 

最後に、次年度以降の入試への影響ですが、これは間違いなくありそうです。

現行のシステムが破綻してしまったのですから、県民が納得できるような変化を加える必要があります。

問題作成・検査実施・採点・合否判定・合格者発表のうち、いくつかの工程を大きく変更するかもしれませんね。外部発注もありえるかも。

ただ、大きな改革をするのは、

費用のコスト
時間のコスト
労力のコスト
受検者の納得感

こういった要素のバランスをとらねばなりませんから、めちゃくちゃ難しいと思うんです。県教委は大きな宿題が課せられてしまいました。
 

ちなみにお隣神奈川県では、採点ミスを減らすために、答案用紙の一部にマークシートを導入しています。また、すべての受験生に採点後の答案用紙をコピーして返却しているそうです。

『神奈川式』を参考にするのかな。
 
 
 
 
 

年内に改善案が発表されるはず。情報が入り次第、またこのブログで特集します。

県教委が発表した資料はコチラ。
令和5年度千葉県公立高等学校入学者選抜における採点の誤りについて

それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
 
 
 

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