こんにちは、なまはげおじさんです。
君津のさくら塾のブログへようこそ。
今日は時事ネタです。
県教委しっかりして
木更津理数科の「スライド合格」の件がニュースで取り上げられ、話題になっています。
……県教委によると、合否判定は各校判断のため同校の対応には問題はないものの、志願者数が定員未満で不合格にする「定員内不合格」は控えるよう求めており、同校に聞き取りを行ったという。
県教委は千葉日報社の取材に「今回の入試で、定員内不合格があったのは少なくとも県立17校で、一部の学校に対して聞き取りを行っている」と説明。
他校でも定員内不合格者が出ており、県教委が各校の事情を聞く事態となっている。……
県教委は、合否判定それ自体については各校に委ねています。
ただし記事内にもあるとおり、定員割れ(志願者数が定員未満)のときに不合格者を出すのは避けるよう各校に「求めて」います。
……「求める」?
高校側からすればそれなりの理由があれば許されるようにも解釈できますし、受検生側からすれば不合格者は出ないように解釈できます。
この表現はダメですよね。
外部の人間が見てもわかりやすく、ハッキリとした指示に変えるべきです。
ルールを確認しよう
県教委が公表している公立入試のルールブック、『入学者選抜実施要項』には、このように書いてあります。
この 5 をご覧ください。
……なお、その際、受検者の数が募集人員に満たない学校においては、各学校の実態に応じて可能な限り入学許可候補者とする。
「各学校の実態に応じて」
「可能な限り」
入学許可候補者とする。
何そのフワッとした表現(笑)
これが今回の騒動の原点かもしれません。
高校側は『検査』と考えている
どの高校も、求める基準に達していない受検生を入学させたくない、というのが本音でしょう。
まず、学習面。
求める基準に満たない受検生が入学すると、高校での授業についてこられるだろうかという懸念が生じます。
定期テストも低迷するでしょうし、留年することになるかもしれません。そうなれば退学も選択肢になってしまいます。
退学の可能性のある受検生に入学許可を出すわけにはいかないでしょう。
そして、生活面。
入試当日の頭髪・服装・言動、そして出席日数などなど。
生活面のしっかりしていない生徒が存在感を増すようになると、学校の「荒れ」に直結します。すると、じわじわと地域からの評判が落ちていきます。
やがてはその高校からの就職先がなくなるようなことも実際に起こりえます(←実話)。
高校側からすれば、公立入試は『検査』です。
基準を通過していない受検生は、入学させたくないのです。
受検生は『選抜試験』と考えている
今度は、受検生の立場になって、千葉県の公立入試を考えてみます。
志望校の定員が40名で、
当日の受検者が38名、
「定員割れ」です。
「定員割れ」になったらなるべく不合格者を出さないで、というのが公開資料に掲載されている県教委の見解です。
木更津理数科が公開している『選抜・評価方法』にも、「定員割れ」のときに不合格者を出すようなことは書かれていません。
受検生なら誰しもが、
全員合格だー!
と考えるでしょう。
なぜなら、受検生からすれば、公立入試は『選抜試験』ですから。
優秀な成績の受検生から順に合格になるはず。選挙で、投票率に関わらず、1票でも票を多く集めた候補者が当選するように。
幸い、理数科志望のさくらっ子が不合格にさせられた、という経験はまだありません。この先、そのようなことが起きてしまったら……あまりに気の毒すぎて私にはかけるべき言葉が見つからないです。
県教委しっかりして
この木更津理数科の件、「これおかしくありませんか」とツッコんだ県議さんの感覚は正しいと思います。
実際、神奈川県などは、「定員割れ」になると自動的に全員合格ですし。
話が長くなってしまいましたので、そろそろまとめに入ろうと思います。
今回の騒動の原因は、木更津理数科の先生方ではなく、県教委のあいまいな指示書きにあります。
正直おかしいです。
そこで、次年度(=現中2)の入試について、2つ提案します。
①県教委は要項の表現を改善してください
実際に「定員割れ」になったらどうするか、外部の人間が見てもわかりやすい、よりハッキリとした指示を公開すべきです。
例えば、実際に「定員割れ」になったときは、
・不合格者を出してはならない。
・やむを得ず不合格者を出すこともある。その条件は各校があらかじめ開示する。
・「スライド合格」を採用することもある。
なんて具合。
②特に郡部の学校については「くくり募集」の採用を促してください
普通科と理数科合わせて320名募集、とするのです。
願書には、次の4択を設けます。
ア 普通科のみ志望
イ 第1志望普通科、第2志望理数科
ウ 第1志望理数科、第2志望普通科
エ 理数科のみ志望
この方式であれば、今回のような悲劇は起きなくなります。
某県議さん、できたらここまで提案していただけたら、なおありがたかったなぁ。
以上、時事ネタをお送りしました。
それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。