【令和3年度版】平均点の推移で考える千葉県公立入試

千葉県の高校入試
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 夏期講習の準備を少しずつ進めているなまはげおじさんです、こんにちは。

 君津市のさくら塾のブログへようこそ。

 今日は、公開された現高1の代の高校入試のデータのお話です。  
 
 
 

平均点の推移で考える千葉県公立入試

 毎年5月に公開されている千葉県公立入試のデータ、今年は遅れに遅れ、先週になってようやく県教委のサイトにアップロードされました。

 今年もじっくりチェックしていきましょう。
 
 
 

各教科および5科計の平均点

 こちらが公開されたデータです。
 

 
 平均点を見ると、最高が英語、最低が国語となりました。英語の標準偏差(受験生の得点のちらばっているようす)、26 もあるんですか。二極化ここに極まれり、ってところなんでしょうか。

 今回の入試から、前期後期制が一発勝負に変わりました。入試の時期は後期に近いですが、試験時間や1問の配点は前期を継承しています。そこで、公開されたデータをこれまでの前期選抜と比較していくことにします。
 
 
 

平均点の推移

 新制度初年度の5科計は、思ったより高くなりました。
 

 
 平均が280点を下回るような問題になる、そう予想していたのですが、事前のイメージより高くなりました。

 ちょっと易しかったかな。

 上位校受験生は、あまり差がつかなかったかもしれません。こうなると、入試本番にいかにミスをしないかという意味で、「守備力」が問われるたたかいになったのではないでしょうか。
 
 
 

 教科別に見ていきましょう。さくら塾で作成した8年分です。
 
 

国語

 まずは、国語。

 予想どおり易化しました。
 

 
 5教科の中で平均点は最低ですが、それでも前年度より 6.8点の上昇、だいぶマシになったのです。千葉県の国語がなぜこんなに得点しづらいのか、特集記事はコチラ
 
 
 

数学

 2科目目です。
 

 
 前年よりも 7.9点も平均が上がりました。ここ8年で最高点、これはちょっと易しすぎたかな。
 
 
 

英語

 数学に負けないくらい平均点が上昇したのがこの教科。
 

 
 このグラフだけを見ると、さぞ易しい問題だったんだろうなぁと考えてしまうのではないでしょうか。それがですね、どうもそう簡単なお話ではないようなのです。詳しくはこの後のコーナーで。
 
 
 

理科

 入試当日は、ここから2日目ですね。理科です。

 
 県教委はだいたい平均55点になるように問題を作成している……と私は考えています。今回の理科はお見事でした。編集を担当された県教委の方はガッツポーズしてそう(笑)。
 
 
 

社会

 
今回の社会は、公民の出題範囲が削られました。教科書後半をバッサリ。それが今回の平均点上昇につながったかもしれません。
 
 
 

公立上位校に進学するには???

 最後に、公立上位校に進学するには入試本番でどの程度得点できればよいかというテーマで、今回発表された別のデータを教科ごとに見ていきましょう。
 ※「1%」「2%」という表現が出てきますが、これらはすべて私が目分量で読み取ったものです。厳密さには欠けます。ご了承ください。
 
 

 まずは、国語。
 

 90点台がおよそ1%。1%あるのかなぁ、かなり低い位置にドットが打ってありますね。

 本検査は32,523名が挑んだので、約325名だけが90点台だったということになります。国語で高得点がとれた受験生はほとんどいなかったんです。

 御三家(県千葉が340名、県船橋が普通・理数合わせて612名、東葛飾が425名)の受験生は合計1377名。90点台だった受験生全員が御三家を受けていたわけではないでしょう。そう考えると、御三家の受験生であっても90点台は5~6人のうち1人だけしかいなかったと想定できます。

 千葉県の国語は得点しづらいのです。入試本番で失敗してしまったとしても、あまり気にしない方がいいでしょう。80点台だったら大成功ですよ。
 
 
 

 今回、似たようなグラフになったのが、理科です。

 
 国語と同じように、90点台が非常に少なかったようです。

 しかし、国語とは異なり、70点以上得点できた受験生は少なくなかった模様。上位校に挑戦するなら、この教科で大崩れするわけにはいきません。80点、できれば80点台後半を期待したいところ。
 
 
 

 国語・理科をややマイルドにした結果になったのが、数学。

 
 グラフ全体が、だいぶ右に偏ってきました。左側のすそ野も気になりますが、やはり上位校受験生にとっては易しい出題だったといえるでしょう。

 90点台をとるのは簡単ではなかったようですが、80点台の13%が目をひきます。上位校に挑戦した人の多くが80点はとれていたようです。

 上位校に進学したいなら、入試本番の数学で80点はキープしないと、ライバルに差をつけられてしまいます。次年度はさすがにやや難化するかな。
 
 
 

 さて、グラフが妙な形になってきますよ。得意にしている人の多い教科、社会です。
 

 
 エアーズロックみたいな形状ですな。勉強が得意な人も苦手な人も、その人なりに得点しやすかったようです。

 上位校を目指すなら、できれば90点台を目指したいところ。
 
 
 

 さて、5教科目です。

 英語、このひどいグラフをどうぞご覧あれ。

 
 何じゃコレ。こんな形のグラフは初めてみました。

 90点台のグループがもっとも人数が多いってどういうことやねん。よく見ると「100点満点」も明らかに0%ではないところにドットが打ってあるし。おそらく上位校の受験生のほとんどが90点以上のはず。まったく差がつかなかったのでは。

 これは県教委が大いに反省しなければならないデータとなりました。受験生の学力を適切に測ることができていませんから。他県のように上位校はレベルの異なる別問題にすることを、真剣に検討するべき時期に来ているのかもしれません。

 現行の形式が続くなら、上位校に合格するには英語は90点台を目指す必要があります。
 
 
 

 5科計のようすです。

 
 定期テストや復習確認テストでいつも450点以上とれているような最上位層といえども、入試本番で450点以上をとれた受験生は1%程度しかいません。千葉県公立入試は高得点がとりづらいのです。

 しかし、400点以上とれた人は合計で11%もいることがわかります。御三家や千葉東を目指すなら、5科計400点に乗せる必要があるといえるでしょう。
 
 
 
 
 

 最後に。

 現中3生の公立入試の難易度は、高1の代に比べて、

・国語 変わらず
・数学 やや難化
・英語 難化
・理科 変わらず
・社会 やや難化

 になると予想しておきます。
 
 
 
 
 

 以上、千葉県公立入試のデータ特集でした。

 それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
 
 
 

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