観点別評価が3項目になるよ

なまはげコラム
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なまはげおじさんです、こんにちは。

君津のさくら塾のブログへようこそ。

今日のお話はちょっと専門的な内容です。むむむ。
 
 
 

観点別評価が変わる

新しい週が始まりました。
今週は後半から月が変わり、年度も切り替わります。
「令和3年度」のスタートです。

令和3年度は、中学校にとって大きな変わり目。

学習指導要領(国が定めた教育課程の基準)が新しくなり、すべての教科がアップデートされます。このブログでも特集してきたとおり、英語がオールイングリッシュになり教科書内容が難しくなるなど、これまでとは異なる授業になるでしょう。

実は、もう1つ、大きく変更されることがあります。

「観点別学習状況の評価」、この項目が3つに減らされるのです。
 
 
 

『観点別学習状況の評価』とは

文部科学省によると、『観点別学習状況の評価』とは、

・観点ごとに評価し,児童生徒の学習状況を分析的に捉えるもの
・観点ごとにABCの3段階で評価

するものです。
 

数学を例にすると、

数学への関心・意欲・態度
数学的な見方や考え方 
数学的な技能
数量・図形などについての知識・理解

という4項目です。

それぞれをA・B・Cで評価し、それによって5段階評定が出るという仕組み。

最近もらったばかりの通知表で目にした方も多いはず。
 
 
 

新しい『観点別学習状況の評価』

4項目あった『観点別学習状況の評価』が、令和3年度から次の3つに減らされます。

知識・技能
各教科等における学習の過程を過した知識及び技能の習得状況について評価を行うとともに,それらを既有の知識及び技能と関連付けたり活用したりする中で,他の学習や生活の場面でも活用できる程度に概念等を理解したり,技能を習得したりしているかを評価します。

思考・判断・表現
各教科等の知識及び技能を活用して課題を解決する等のために必要な思考力,判断力,表現カ等を身に付けているかどうかを評価します。

主体的に学習に取り組む態度
知識及び技能を獲得したり,思考力,判断力,表現力等を身に付けたりするために,自らの学習状況を把握し,学習の進め方について試行錯誤するなど自らの学習を調整しながら,学ぼうとしているかどうかという意思的な側面を評価します。
 

今まで一番上に鎮座していた「関心・意欲・態度」が、今度は一番下に降格したんですなぁ。

この「主体的に学習に取り組む態度」についての文科省の説明は、

①粘り強い取組を行おうとする側面
②自らの学習を調整しようとする側面

という2つの側面から評価することが求められる、だそうです。
 

 
「自らの学習を調整しようとする側面」という謎の表現については、「自らの学習状況を把握し,学習の進め方について試行錯誤するなどの意思的な側面のこと」という説明がありました。

む? 生徒が学習の進め方を試行錯誤しているかを評価するの? 授業中に「どうやって学習を進めようかな」って場面を増やすってこと? なにそれ。

現場の先生方も首をひねってそう。なにそれ。
 
 
 

『評定』の付け方はどう変わる?

さて、私たちが気になるのは、『観点別学習状況の評価』ではなく、それによって決定づけられる『5段階評定』ですよね。

なにせ4観点から3観点に減らされるのです。これは大きな変化ですよ。

『5段階評定』の付け方は、どう変わるのでしょうか。
 
  

神奈川県では

神奈川県では、昨年3月の時点で全県の中学校にパンフレットを配布しています。
 

 
神奈川方式では、ABCの3段階ではなく、次の5段階に分かれます。

A○ 5点
 十分満足できると判断されるもののうち,特に程度の高いもの
A  4点
 十分満足できると判断されるもの
B  3点
 おおむね満足できると判断されるもの
C○ 2点
 努力を要すると判断されるもの
C  1点
 一層努力を要すると判断されるもの

なるほど、『観点別学習状況の評価』を得点化するのね。
 
 
 

千葉県は???

千葉県の県教委も、各中学校に資料を配布していると思うのですが、私には見つけられませんでした。

そこで、2通りイメージしてみましたよ。

まずは、ABCの付き方での『5段階評定』。
 

 
うーむ、この方法だと、AACとABBではどっちが上なのかがよくわかりませんな。

もう1つは神奈川方式をマネしてみました。
Aが3点、Bが2点、Cが1点です。

 
むむむ、「4」と「2」の割合が多くなりそう。グレーゾーンで先生方の主観が入ったりしそう(AACやABBでも「3」になったり)。

はたしてどうなるかな???
 
 

『観点別学習状況の評価』は厳しくなる?

3つに減らされる『観点別学習状況の評価』、そこで「A 十分満足できる」と判断されるのはどのようなときなのか。文科省の回答は、以下のとおり。

各教科において「十分満足できる」状況(A)と判断するのは、評価規準に照らし、児童生徒が実現している学習状況が質的な高まりや深まりをもっていると判断される場合です。「十分満足できる」 状況(A)と判断できる児童生徒の姿は多様に想定されるので,学年会や教科部会等で情報を共有することが重要です。

質的な高まりや深まり。

あれ? 求められているものがかなり高くないですか、これ。

ひょっとして、Aは取りづらくなるのかもしれませんね。
実際、中学校に先駆けて3観点評価が実施されている小学校では、Aが取りづらくなる旨の学校だよりを発行したところも確認されています。なんてこったい。
 
 
 
 
 

以上、今週末から始まる令和3年度から、『観点別学習状況の評価』項目が3つに減らされるよ、というお話でした。

それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
 
 
 

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