待ち焦がれていた穏やかな秋 has gone . 寒さに負けそうななまはげおじさんです、こんにちは。さくら塾のブログへようこそ。
今日は高校入試のお話です。
高校入試といっても、現3年生のじゃないですよ。そのひとつ下の学年、現2年生から、千葉県公立入試は新制度が始まりますが、それがどのようなものになるか見えてきましたよというお話。
県教委のワーキンググループとして、「千葉県公立高等学校入学者選抜方法等改善協議会」という会議があり、そこで公立入試についての話し合いが行われています。今年だけ特別設置されたわけではなく、毎年、数回開かれている会議です。
今月18日(月)に今年の第3回協議会が行われ、その資料が公開されました。リンクを貼っておきますね。
アップされている資料を見ると、令和3年度から始まる新しい公立入試のシステムが見えてきます。その中でも、『選抜方法』にフォーカスしましょう。
『選抜方法』は大きく変わる?
公開された資料には、『選抜方法』として端的にまとめられています。
まず、6行からなる文章、これについて2つチェックを入れました。
幕張総合インシデントの影響もあり、現行の入試制度でも、選抜資料は数値化して扱うことになっています。新制度でもこれを踏襲するようです。
ただ気になるのが、「原則として」というフレーズ。これはダメでしょう。「場合によっては数値化しなくて構わない」「数値化されていない、受験生にはオープンにしていない、そんな秘密の加点がある」という意味を含んでしまいますから。間違いなくインシデント発生の元。
「選抜の資料はすべて数値化する」という記述にすべきです。
そして、新制度でも、選抜・評価方法は、それぞれの高校にゆだねられることにも注目したいです。これも現行制度の流れをくんでいます。
以上2点が、『選抜方法』についての大きな柱。
どちらも現行制度そのまま、なんですね。
大きな変化はナシということです。
調査書の扱いはどう変わる?
調査書、具体的には『内申点』、その扱いについてはまさに予想どおりでした。
千葉県は、新制度になっても、1年生・2年生・3年生の5段階評定を調査書に明記し、それを選抜に使用します。広島県は、新制度から内申点を全廃しようとして、結果大混乱になって撤回しました。千葉県はそんな騒動はまったく気にせず、我が道を行くようです(笑)。
つまり、1年生の1学期の成績から評価対象ということ。言いかえれば、入学したての1年4月から高校入試が始まっているということです。
3年生の成績だけ記載される東京都や、2・3年生だけの神奈川県、3年生の成績を2倍(または3倍)する埼玉県とは違うのです。
千葉県では、塾は中学校に慣れてから、なんてのんびりしてちゃダメなのです。
県教委のイメージする選抜タイプがコチラ
これまで通り、選抜方法については各公立高校に一任されるようですが、県教委としては新制度では次の3つのタイプのいずれかに当てはまるようにしてほしいようです。
① 「学力検査」重視型 ・・・・・進学校?
② 「調査書」「検査」重視型 ・・中学校実績を重視?
③ それらの組み合わせ型 ・・・・二段階選抜?
3つのタイプのうちどれを選ぶかは、その高校がどのような特色を打ち出したいか宣言することになります。現行の前期後期制で、すでに県千葉・千葉東は①のタイプでの選抜を行っています。また、幕張総合や君津は二段階選抜をするくらいですから間違いなく③です。これら4校は、新制度でも変わらずでしょう。
注目は、木更津。①を選ぶか、それとも……。むむむ。
県内の公立進学校の多くは①を選ぶはずですが、実はこれ、文科省が推し進める大学入試改革の真逆の方向なんですよね。このあたり、県教委はどのように考えてるんだろう。
なまはげイヤーは地獄耳
ちょいと小耳にはさみましたよのコーナーです。
『学校ごとの検査』について。
前期後期制では、「面接」「自己表現」がメインで、上位校の一部のみ「作文」を採用していました。新制度では、大学入試改革の影響でしょう、思考力を問うような「学校独自問題」の出題がプッシュされているようです。
『学力検査』の問題が、上位校の受験生にとっては簡単で、得点の差が出にくい現状を踏まえての案でしょう。今春の前期選抜では県千葉は450点あたりに受験生が密集したようですし。
でもね、いわゆる「学校独自問題」って、高校の先生方の負担が大きいんですよ。日々の業務に加えて、こっそりと問題作成するわけでしょう? 県千葉も千葉東も木更津も、数年で「学校独自問題」をやめちゃいましたからね。結局「作文」や「面接」で落ち着きそうな気がします。
『学力検査』について。
上位校とそれ以外とで別問題にすることを検討している、らしい。たしかに全公立高校に一律に同じ問題を使わせて入試を行うのは、ちょっと無理がありますからね。
私は、問題を複数用意することに賛成です。今までと同レベルのものと、もうひとつ、難しいもの。卒業後の難関大学・有名大学への進学を強く意識する高校は難しい入試問題を採用し、それ以外の高校は従来レベルの入試問題を採用する。こうすることで、特に上位校の入試に特有の、ボーダー付近に受験生が密集しすぎる現状を改善できるはず。
どうやら、県教委の先生方の中に私と同意見の方がいらっしゃるようですが、問題作成の手間が2倍になりますから、これはかなり大変な決断になるはず。さてどうなるでしょうか。
以上、令和3年度からの公立入試新制度についての特集記事でした。
年明けから5月あたりまでに動きがあるかな。それでは今日はこのあたりで失礼します。
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