また雨かぁ。いったいいつ梅雨明けになることやら。こんにちは、なまはげおじさんです。さくら塾のブログへようこそ。
内房エリアのみなさまにも首都圏の受験最前線のようすを知っていただきたい、と考えてお送りしているこのシリーズ、前回の記事はこちらです。
中高一貫校が、併設型から完全型へ移行している、そんなお話でした。高校募集を行わないということですね。
中高一貫校は次の2つに分けられる
●完全型・・・中学入試のみ、同じメンバーで6年間過ごす
●併設型・・・高校募集もあり
東京都には都立の中高一貫校が10校あるのですが、そのうち5校の校名は「中等教育学校」、すなわち高校募集のない完全型中高一貫校です。千葉県とは異なり、先取り学習もバンバン行っています。2019年2月、都教委は残りの5校も完全型に移行することを発表。高校募集の停止という新たな波は、私立校だけではなく、公立校にも押し寄せています。
それでは続きをどうぞ。
大学進学実績の高い学校は、中高一貫校ばかり
以前このブログで、現在の大学入試は中高一貫校生が高い実績を残していると書きました。それら名門校の多くが、併設型から完全型に移行しています。
この一連の特集記事をまとめるためにあらためて調べ直してみたのですが、高校受験を経て入学できる併設型の中高一貫校って、たしかに少なくなっているんですね。今日は、女子校と男子校に絞って調べてみました。
高校募集のある 大学進学実績の高い 私立女子校
首都圏で、まだ高校募集をしている、大学進学実績の高い女子校はあるのか。
ありました!
慶應義塾女子(東京)
淑徳与野(埼玉 ※中受組と高受組は3年間別クラス)
以上。
いや、高偏差値校はほかにも数校あるんですよ。あるんですけどね、大学進学実績を確認すると、ちょっと物足りないかなぁ・・・とはずしていたら、リストに残ったのがこの2校だけになったのです。
慶應女子は、首都圏の高校受験における女子校の頂点ですね。ここ、全員が慶應大に進学できます。学年に5名のみですが、医学部へも進めるのだそうです(高受組には厳しいようですが)。
首都圏の女子校には、大学進学実績の高い名門校・ブランド校が多くありますが、その多くが中学入試のみで高校募集なしとなっています。ざっと挙げてみますね。ママンのみなさまは何校ご存知でしょうか。
桜蔭(東京都) ※おういん
女子学院(東京都)
豊島岡女子学園(東京都) ← NEW!
雙葉(東京都) ※ふたば
洗足学園(神奈川県)
フェリス女学院(神奈川県)
浦和明の星女子(埼玉県) ※うらわあけのほし
鷗友学園(東京都) ※おうゆうがくえん
吉祥女子(東京都)
白百合学園(東京都)
このすべてが中受のみなのです。
キラキラしているのは校名だけではありませんよ。進学実績もステキです。リンクを張っておきましたので、興味のある方はご確認ください。
中学卒業後からでも入学できる私立名門女子校は減ってしまいましたが、国立であれば、お茶の水女子大学附属という併設型の中高一貫校があります。学費を考えるととても魅力的ですね。注意事項としては、お茶の水女子大に内部進学できるわけではないということ。そして気になる進学実績は、やはり完全中高一貫の私立校には負けているかなぁというところです。
まとめますと、
女子校進学は、12歳が分岐点。
首都圏で女子校を志望する人にとっては、実は12歳が進路選択の分岐点です。それを過ぎてしまうと、選択肢が一気に少なくなってしまうのです。ここが共学や男子校との大きな違い。
そのため、小学校も高学年になると、進学塾で長い時間を過ごす人が増えてくるわけです。内房エリアには、そんな小学生、あまりいませんよね。
幼いころからバリバリやってきているこうした猛者たちと、大学入試でたたかうことになります。公立上位校に進学できたとしても、それだけで満足してはいけませんね。
高校募集のある 大学進学実績の高い 私立男子校
名門男子校も、中学入試のみというところが多いです。特に、東京都と神奈川県ですね。しかし、女子校に比べると、まだ選択肢が残されています。それなりに数があるので、どこまでを掲載するか悩みました。
開成(東京都)
早稲田大学高等学院(全員が早稲田大に進学可)
慶應義塾志木(全員が慶應大に進学可)
桐朋(東京都)
巣鴨(東京都)
城北(東京都)
明治大学付属中野 (全員が明治大に進学可)
立教池袋 (全員が立教大に進学可)
鎌倉学園(神奈川県)
川越東(埼玉県、非中高一貫校)
桐朋・巣鴨・城北の3校は、中学入試では中堅上位校なのですが、高校入試では偏差値にして70を超える難関校に変身します。
早大学院・慶應志木・明大中野・立教池袋の4校は、人気大学への推薦制度ありなのが魅力的ですよね。中にはそうしたお得な制度を使わずに、あえて国立を含む他大学に進学する卒業生もいるようです。注意事項としては、有名大学の付属校では、留年が非常に多いということ。早大学院は、年間20~30人が上の学年に上がれないそうですよ。コツコツやらなければならないようです。
リストの最後になってようやく出てきたのが川越東、中高一貫ではないいわゆる普通の高校です。中高一貫校ではないのに高い大学進学実績を残せている私立高校なんて、首都圏ではレアな存在ですよ。ようやく1校見つけました(笑)。
お茶の水女子のように、男子にも国立の併設型中高一貫の名門校が存在します。筑波大学附属駒場(=筑駒)。東大のすぐ近くにある、超進学校です。進学実績のリンクを張っておきますね。なまはげおじさん、ビックリしすぎて声が出ましたよ。
何がビックリって、せっかく東大に合格したのに入学していない人がいるんですもん(=蹴る、と表現します)。東大を蹴る!? しかも2名も!? そりゃぁ奇声も勢いよく出ますって。
2019東大合格者数ランキング
東大の話が出ましたので。
進学校の実力を測る指標のひとつが、東大合格者数でしょう。東大を崇拝するつもりはありませんが、イメージとしてつかみやすいですからね。カナガクさんのサイトを参考にして、「2019東大合格者数ランキング」を作成しましたのでご覧ください。
わかってはいたことですが、ベストテンを占めるのは中高一貫校ばかりですねぇ。一般的な形式の高校では、第11位の日比谷が最高位です。浦和(埼玉)が15位、横浜翠嵐(神奈川)が27位、そして千葉が31位となりました。
トップは今年も開成高校ですね。もう何十年連続になるんだろう。
先ほどご紹介した筑駒が、今年の全国2位。この学校、学年にたった160名しかいないのです。生徒数との比率で考えたら、学年の3分の2が東大へ進学することになります。いやぁ、ため息が出ますねぇ。
ランキングを埋めているのは、首都圏の中高一貫校ばかり。先ほどまとめとして書いたとおりです。これらの高校に通っている生徒が、大学受験の最前線でたたかうメインキャストということです。難関大学・有名大学に進学したければ、彼ら彼女らに勝たねばなりません。内房エリアの中学生のみなさんに強調したいのは、公立上位校に進学できたとしてもそれだけで満足してはいけないということ(本日2回目)。高校受験は通過点ですぞ。
完全型の5校も、もともとは、併設型。完全型に移行してから、少しずつ進学実績を上げてきたのだそうで。移行準備中の渋幕を除いて併設型残り4校、どうするのかな。
開成にしろ筑駒にしろ灘にしろ、中学受験で入学してきたメンバーが中心の超進学校であるにもかかわらず、いまだに高校募集を続けているのはなぜか。
おそらく、中高6年間固定メンバーだけだと、どうしても中だるみのような雰囲気が生まれるからでしょうね。そこに意欲あふれるニューフェイスを加えることで刺激を与えて、学校全体の活性化を狙う、と。そんなところではないでしょうか。
まとめますと、
大学進学実績の高い学校は、中高一貫校ばかり
というひとつ上のサブタイトルのまんまの文言になります。
併設型名門中高一貫校の憂鬱
ただですね、ここ数年、せっかく超難関の中高一貫校の高校受験に合格できたのに入学しない・・・という選択をする受験生が少なくないようなのです。下表は開成高校のサイトに掲載されているデータです。
今年の入試では、狭き門をくぐり抜けることのできた188名のうち、実際に入学したのはわずか104名だけでした。
え、もったいない!
どうして!?
実は開成だけでなく、渋谷幕張や豊島岡女子学園などの併設型中高一貫校では、せっかく高校入試で合格できたのに蹴ってしまう受験生が少なくないようなのです。
中高一貫校の最近の傾向;併設型の高校入試、辞退者が多すぎる!?
この原因を考えていくと、なぜ高校募集を停止する併設型中高一貫校が増えているのか、それも見えてきます。
・・・とんでもなく長くなってきたので(これでも半分以上泣く泣く削ったんですよ)、また続きをそのうち書きますね(笑)。
次回特集は、なぜ高校募集を取りやめるのか、なぜ合格辞退を選ぶのかについてです。それでは今日はこのあたりで失礼します。
続きはコチラです。
タグ さくら塾 君津 塾 進学塾 公立上位校 木更津高校 君津高校 木高 君高 高校入試
この記事についてのコメント