【なまはげ文庫】『友だち幻想』

なまはげ文庫
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こんにちは、なまはげおじさんです。さくら塾のブログへようこそ。

「みんな仲良く」は幻想である!? 

 なまはげおじさんが読んだ本の紹介コーナー『なまはげ文庫』、第2回はこちらです。
 新書版ですので軽くてうすいのです。  
 

 
 社会学者である菅野仁さんの名著『友だち幻想』。
 初版が2008年なので、もう十年以上前の本ですね。
 しかし、書かれている内容は輝きを失っていません。

 この本を推すポイントについてお話していきます。

◎人間関係に悩む人にオススメ!

 小学校高学年くらいから、友だちの関係に悩んだ経験のある人は多いはず。現在進行形で苦しんでいる人もいるかもしれませんね。そんなアナタにこの本を勧めたいです。

 たとえば、そうですね、さくらっ子のみなさんに該当しそうなことをサッとまとめるとこんなことが書いてあります。

 「友だちなら私のことを100%理解してくれる」なんて幻想。
 「クラスみんなと仲良くならなきゃ(仲良くなれるはず)」というのも幻想。

 ・・・いかがでしょう?
 興味がひかれませんか?

 ひょっとしたら、この本を読むことでココロが軽くなる人もいるのではないか、そう思って今日ブログで紹介しています。

 「クラスや部活のメンバーを、味方と敵という単純な図式でとらえるとココロがしんどくなっていくので、その間の存在(=態度保留)を意識して適度に距離を置くとよい」という考え方も書いてありますよ。 コレ、春になまはげおじさんが話したことに似ていますね。
 

 
 さくらっ子のみなさんが読んだら、

さくらっ子
さくらっ子

(あー、そっかぁ・・・!)


 と目からウロコが落ちるかもしれませんよ。
 

◎中高生とかかわる大人にもオススメ!

 「みんないい子だから、話せばわかる」
 「いつも心が触れ合って、みんなで一つだ」
 「子どもの頃はどんな子どうしでも仲良く一緒になれるはず」

 こういった大人が抱きがちな考えも、筆者はそんなものは幻想ですよと鋭く指摘します。そして、人と人との距離感をもっと丁寧に見つめ直したり、気の合わない人とでもいっしょにいる作法のようなものをきちんと考えるべきだと主張します。

 これって、社会に出てから大事になってくることですよね。社会人になったら、気の合う人とだけでグループを組んで仕事をするなんてありえませんもの。しっくりこない人であっても、うまいこと折り合いをつけてやっていかなければなりません。

 そうした感覚を、中高生のうちから意識していくことこそ、今の時代に求められているのかもしれませんね。
 

 ・・・なんてことをなまはげおじさんは思いましたよ。この本は、中高生だけでなく、中高生とかかわる大人が読んでもおもしろいと思います。

 

◎ママンには第6章がオススメ!

 たしかに中高生向けの平易な内容の本ではありますが、ママンのみなさまにも読みごたえのあるものなのです。

 特にオススメなのが、「第6章 家族との関係と、大人になること」。

 包み込みたいという親の心理と、親から自立しようとする子どもの気持ちがぶつかり合う思春期。まさにほとんどのさくらっ子があてはまりますね。

 この時期の親に求められるのは、どのような力か。
 筆者は次のように主張しています。

 子供が口で言っている表面的な言い方や勢いに惑わされず、自分の子がどの程度まで成熟してきているのだろうかということを見極めながら、子どもを支える力

 中学生になって身の回りのこともできるようになってきたし、言うこともしっかりしてきているし、もうあまり口を出さない方がいいかなぁ・・・とみなさんお考えになるでしょうが、あまりに極端に距離をとるようなことはよろしくないですよ、と。

 さくらっ子の中にもしっかりとしていて大人びて見える人がいますが、実はそれは外向けのペルソナであり、まだまだ親の精神的なサポートを必要としている、なんてこともあるのかもしれないなぁ・・・などという感想を抱いたなまはげおじさんでした。
 

◎2つの意味で読みやすい

 この本、本当に読みやすいのです。

 まず、軽くてうすいから読みやすい。
 


 ね? まったく厚くないでしょう? これなら読んでいて腕が疲れてきた、なんてことはまず起こらないでしょう。
 150ページほどしかありませんから、集中して読み込んだら1時間程度で読み終えてしまうはず。読書の苦手な人にもオススメできます。「素晴らしい本を読み終えることができた」という達成感を味わえますよ。
 

 そして、表現がわかりやすいから読みやすい。

 国語っぽくいうなら、この本は「説明的文章」です。さくらっ子のみなさんは、知らず知らず「キーワード」を意識したり、「しかし」「ところが」といった逆接の接続語に目が行ったりすることでしょう。
 それでいいのです、実にオーソドックスで平易な表現にしてくれてありますから、その読み方で内容がスルスルと頭に入ってくるはずですよ。

 難しい熟語はほとんどありませんし、専門用語にはその意味にまでふれてくれています。いたれりつくせりといった感じです。

△この本のイマイチなところ

 この『なまはげ文庫』では、必ずイマイチなところも挙げるようにしようと自分で決めたのですが、この本については見つからないんですよね。

 ほとんどあらさがしのようですが、あえて挙げるなら、「抽象-具体」での具体例がやや古いところでしょうか。「メールの即レス」は、今なら「LINEの既読」でしょうし。

 でもこんなことは本当に瑣末なことです。
 オススメですよ。

 

さくらっ子&ママンにお貸しします

 さくら塾に置いてある本は、すべて貸し出しOKです。

 対象は、さくらっ子&ママンのみなさま。
 どうぞお申し出ください。

 ただし、さくらっ子は期末テストが終わってからにしてくださいね(笑)。
 
 
 

それでは今日はこのあたりで失礼します。

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