本の紹介コーナー『なまはげ文庫』、1年ぶりの第12回。
2025年、今年文庫化されたベストセラーです。

すでに読んだ方も多いでしょう、『成瀬は天下を取りにいく』。
滋賀県大津市を舞台にした短編集です。
サクッと読めます
著者は宮島未奈さん、これがデビュー作です。
京都大学文学部卒(ワォ)、結婚してから琵琶湖の街に生活の場を移したんだそうです。長く住んでる方が書いたのかな、なんてカンチガイしちゃいました。
それでは、おすすめポイントを◎で、いまいちなところを△で、それぞれご紹介します。
◎読みやすい文体
なんといっても読みやすさが光ります。
難解な熟語や言い回しは一切ないので、ページをめくる手を止めて作者の意図することを考える、なんてことは起きません。
読み進めれば読み進めるほど、頭の中でキャラクターが生き生きとしてきますよ。
本を読むのが得意じゃない、
そんな中学生にもオススメできます。
◎1話が短い
短編集なので、1つのお話が短いのもいいですね。
だいたい40ページくらいです。
もうね、あっという間に終わっちゃいますよ。
ですから、受験生のあなたも、休憩時間に、
「今日は第1話だけ読もっと」
「第2話の前半だけ……」
なんて楽しみ方ができますよ。
◎主人公がユニーク
第1話では主人公の成瀬あかりは中学2年生。
コロナ禍で学校行事がほとんど中止になったあの年から、物語は始まります。
「時間差登校」とかありましたねぇ……
地域放送のテレビに出たり、
漫才に挑戦したり、
膳所高校に入学したり、
池袋の西武本店で記念撮影したり、
琵琶湖でデート(?)したり、
どれもこれも聞いたことのないようなエピソードばかり。お話がどう転がっていくのか、先が読めません。
※膳所高校;ぜぜ、と読む 千葉県で例えるなら県船橋や県千葉 滋賀県の公立トップ校
エピソードだけでなく、主人公のキャラクターも実にユニークなんです。小説でも映画でも漫画でも、私はこんな女の子見たことないですよ。
高校初日の彼女のヘアスタイルには、きっとあなたも度肝を抜かれることでしょう。
デートシーンに甘酸っぱい要素はほぼないです笑
△早めにどうぞ
いまいちな点は、ないです。
無理矢理挙げるなら、コロナ禍の出来事であること、かな。
数年前のことですね。
みなさんも、常にマスクを着けていたでしょう?
この物語でもマスクという3文字がポツポツ出てきます。
そのたびに私はあの頃の息苦しさを思い出して、ため息をついてしまいました。
そういった記憶が薄れる前に読んでほしいです。
以上、『成瀬は天下を取りにいく』についてご紹介しました。

おもしろそう!

読んでみたいかも!
というさくらっ子&ママンは、貸し出しますから声をかけてくださいね。
それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
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