こんにちは、なまはげおじさんです。
君津のさくら塾のブログへようこそ。
今日は特集記事の第3回です。
計画実施上の重点事項
県教委が発表した、千葉県の『県立高校改革推進プラン』について連続して取り上げています。
特集3回目は、県教委の考える「計画実施上の重点事項」についてです。
改革プランを進める上で、次の4点を重視するとのこと。
①全ての高校の魅力化と学びの改革
②キャリア教育と職業教育の充実
③学校間連携
④戦略的な広報
チェックしてみましょう。
すべての高校の魅力化と学びの改革
のっけから難しい話なんですが、令和3年3月31日付けで、文科省初等中等教育局長が、学校教育法施行規則の一部改正についての通知を出しているんです。
●各高校は、次の3つから成るスクール・ポリシーを作成すること
・グラデュエーション・ポリシー
生徒の卒業後の姿を見据えて、どのような資質・能力を育成するのか
・カリキュラム・ポリシー
どのような教育課程を編成し、実施し、学習評価を行うのか
・アドミッション・ポリシー
入学時に期待される生徒像
中学生でもわかるように書き直すと、
ウチの高校に入学すると、卒業後にこのような能力が身につきます。
そのために、このような教育を行います。
募集する受験生はこのような人物です。
といった方針を立てなさい、ということですね。
これ、全国の高校で導入されます。
おそらく高校の公式サイトに掲載されることになるんじゃないでしょうか。
スクール・ポリシーを立てるには、それぞれの高校が地域社会にとってどのような役割を持っているかを意識する必要があります。
そこで県教委は、各高校に期待される社会的役割として、次の4つを挙げています。
①地域の担い手として、地域の発展に尽力・貢献する人材の育成
②地域において、他地域や世界とをつなぐ人材の育成
③世界を舞台に、日本の未来を切り拓く人材の育成
④専門分野の未来を切り拓く人材(スペシャリスト)の育成
つまり、
①主に地元で活躍する人材育成
②主に千葉県内・国内で活躍する人材育成
③国際的に活躍する人材育成
④スペシャリスト育成
のうち、どのタイプなのかを意識しようぜ、ってことなんでしょう。
心意気は買いますが、③や④は高校ではなく大学の話だと思いません?
今回の改革で、各高校の立ち位置がよりはっきりしたものになるはずです。
キャリア教育と職業教育の充実
県立高校には、普通科や理数科以外にもさまざまな学科が存在します。
園芸科など農業に関するもの、
電気科など工業に関するもの、
海洋科など漁業に関するもの、
ほかにもたくさんありますね。
しかし、そういった職業系専門学科は、普通科に比べると進学希望者は多くありません。ニーズが低い。
これを県教委としては何とかしたいわけです。
改革プランによると、「ア;専門学科の高校生や先生が小・中学校を訪問」したり、「イ;小・中学生が高校を訪問して学びを体験」したりするとのこと。
イはすでにやってはいますよね。旧上総高校園芸科が希望者体験型のイベントをやっていました。これを希望者だけでなく学年全員とかにするんでしょうか。
アについては、私は批判的な視点です。下の欄の 戦略的な広報 でまとめてお話します。
職業系専門学科への進学希望者を増やすのは、県教委だけではかなり難しいかもしれません。
学校間連携
県教委の解説をまとめると、学校関連携とは、「在籍校以外で科目を修得した場合に、それを修了認定単位数に加えることができる制度」とのこと。
具体的には、他校で実施される公開講座・講演会・発表会等に自由に参加できるようになるそうです。
授業ではなくてイベント限定なのかな。
トラブルのもとになったりして
この改革はあんまり必要性を感じないですなぁ。
戦略的な広報
時代が時代ですし、県立高校も広報活動が必要だという県教委の考えには賛成します。
しかし県教委の挙げる具体的な方法はいただけません。
まず、動画配信とSNS。
誰が作るの? 誰が運営するの?
先生方? さらに仕事を増やすの?
意地悪な攻撃を受けたり炎上したり大変なので、生徒には任せないほうがいいでしょうし。
そして、高校生の母校訪問。
「中学校を訪問し、後輩に直接、授業や学校行事、部活動等の高校生活の様子を伝える機会を設ける」とあります。
高校の部活動がお休みの日に、母校の部活動に飛び入り参加するのは今でもよくあることですが、県教委のイメージはそれとは違うんでしょう。
戦略的な広報というくらいですから、中3生の教室で語ったり、学年集会に参加させてもらったりするんでしょうね。
……高校生が?
高校生が広報活動や営業活動をするの?
おかしくありません?
高校には、勉強をするために通うんでしょう?
中学生に営業かけるということは、平日に中学校に行くんですよね。高校の勉強はどうするんでしょうか。
同じような理由で、高校の先生方に小中学校へ営業活動に行かせるのにも反対します。それぞれの専門教科の指導をすることがお仕事だからです。
戦略的ではないかもしれませんが(そもそも戦略的という言葉の定義は?)、春から秋の時期の土日にオープンスクールをたくさんやってくれたほうがありがたいかもしれません。
土日と月火を入れ替えて、普通に授業をし、ランチをし、部活動に打ち込む。その姿を中学生・保護者・地域の方に見ていただく。
特に受験生にとってはありがたいはずです。高校入学後のイメージがよりはっきりとしますからね。
まぁ県教委の中の人はこのブログを読んでいないでしょうけど笑
以上、3回目の特集記事でした。
それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
この記事についてのコメント