本の紹介コーナー『なまはげ文庫』、第8回。
今回は、ちょっと薄い本をご紹介します。
バウンドという会社がつくった本です。
タイトルにだまされてはいけません。大人が読んでもなかなかおもしろいんです、コレ。
Geopolitics
地政学とは Geopolitics、すなわち「地球の政治学」といった意味です。
簡単に言うと、それぞれの国どうしの関係について、地理に着目して考えよう、という学問ですね。
海に面しているとか、
鉱産資源が多いとか、
大国に接しているとか、
そういった地理的な条件を念頭に、政治・軍事・経済などの「これまで」と「これから」について説明していくわけです。
それでは、おすすめポイントを◎で、いまいちなところを△で、それぞれご紹介します。
◎地政学を知ることができる
地政学、以外にも身近に例があります。
お隣さんとの関係です。
一戸建てにお住まいの方、お隣の植え込みが成長しすぎてこちらの庭に伸びてきてしまったなど、ちょっとしたトラブルになったことはありませんか。
集合住宅にお住まいの方であれば、隣室の方の騒音にストレスを感じることはありませんか。
これらもまさに地政学なんです笑
本書では、「クラスメイトとは些細なことでトラブルになりがちだが、別のクラスの出来事には関心が薄くなりがち」など、小中学生にもわかりやすい例が載っています。
まさに地政学の入門書です。
◎易しい表現
『こども地政学』と冠するとおり、表紙から本文まで、すべての漢字にふりがながふられています。
また、全部で120ページほどの薄い本なので、読書の苦手な人でも手を出しやすいかも。
EEZなどの重要な用語は、それがどんな英語を省略したもので、どのような意味があるのか、ちゃんと解説がついています。
QUADやCPTPPなどのやや難解な用語については、込み入った説明は避けて、ビジュアルで大づかみに理解してもらおうという編集上の工夫がなされているようです。
小中学生には大変読みやすいんじゃないでしょうか。
◎大人が読んでもおもしろい
本書は全7章でできています。
1.私たち日本と世界との関係を見てみよう
2.ところで「地政学」ってどんな学問なの?
3.地政学で絶対に知っておくべきキーワード
4.日本の地政学的リスクを見ていこう
5.2つの超大国アメリカと中国を知ることが大事
6.歴史を振り返ると地政学がよくわかる
7.未来の日本について考えてみよう
私は第3章のキーワードについての説明が非常に興味深かったです。
ランドパワーとシーパワー
ハートランドとリムランド
チョークポイント
それぞれご存知でしょうか。
こういったキーワードに、「敵の敵は味方」といったいわゆる世間知を加えると、現在のニュースがより深く理解できるようになるかもしれませんよ。
△(特にナシ)
△マークをつけて、イマイチな点を1つ書くのがお約束だったのですが。本書についてはそれが特にないんです。
説明が浅すぎるかもしれませんが、子供向けの入門書ですし。
もっと詳しく知りたくなったら、巻末にいろいろ参考文献も掲載されています。
何なら大学で専門的に学ぶ、という進路もありますよ。
以上、『こども地政学』についてご紹介しました。
読んでみたいかも!
というさくらっ子&ママンは、貸し出しますから声をかけてくださいね。
それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
この記事についてのコメント