はーい、なまはげおじさんですよー。今日は前期選抜の数学、その攻め方について考えていきますよー。
得点のようすをチェック!
数学の得点分布はこちらのグラフです。
平均は 54.5点ですが、実はもっとも多いのは60点台です。
だいぶズレがありますね。
これはつまり、上位校は60点以上とれた受験生ばかりだったけれど、そうでない高校には50点に満たなかった受験生がゴロゴロいたということです。中堅・下位校の前期選抜では、数学で得点できるのは大きなアドバンテージです。
さて、上位校の話に戻します。
どのくらいの受験生が高得点をとれたのでしょうか。
目分量でチェック。
国語は90点台が1%でしたが、数学は2%もいます。受験生が37,564名でしたので、その数おおよそ750名。うーん、結構多いなぁ。
80点以上になると全部で7%ほどになりますから、2600名にもなります。県千葉・千葉東・木更津であれば、やはり80点台を目指したいですね。幕張総合・君津なら70点台を目標に設定するべきでしょう。
2019入試での変更点をチェック!
千葉県公立入試の数学は、国語と同様に出題のパターンがあります。
こちらです。
大問1 計算6題
大問2 小問集合
大問3 関数
大問4 平面図形
大問5 規則性に関する問題
H25・H26・H27・H28・H29・H30(=昨年度)と連続して、「規則性に関する問題」が大問として出題されてきました。規則性と書かれても何のことやらというあなた、こういう問題です。
H30(=昨年度)の前期選抜より
いかがでしょう。中学入試でよく見かけるタイプの問題ですね。
規則性問題の解法は以下の流れのとおり。
①いくつか例示する
② ①の結果を表(または図)にまとめる
③ ②を観察して規則性を発見する
④ ③をもとにして問題を解決する
これがまぁ当たり外れの大きいもので、とても簡単な年もあれば、どえらく難しい年もあり、受験生を悩ませていたものでした。
もちろん学校での復習確認テストも、外部模試も、いつも大問5は規則性問題。たくさんの問題を解くことで経験を積んでもらおうとしてきたわけです。
それが、今年は大きな変更があったのです。
はいコチラ。
なんと、大問5が、空間図形に変更されました!
なぜ急に「規則性に関する問題」をやめたんだ!?
その代わりがよりによって空間図形だと!?
千葉県公立入試では、長いこと空間図形は大問として出題されてきませんでしたから、受験生諸君はさぞびっくりしたことでしょうね。たぶん、こんな表情になった人もいたことでしょう。
なまはげおじさんもビックリ仰天でしたよ。
千葉県では空間図形は出題されないからやらなくてヨシ、なんてさくらっ子に言わなくて本当によかった。念のために授業で復習して本当によかった。
千葉県公立入試、突然の変更に要注意、ですね。
去年と同じ出題形式と決めつけるのはキケンかも・・・
小問ごとの正答率をチェック!
はい、次のお話。
県教委が、1問ずつ正答率を発表しています。
グラフにすると、こうなります。
(編集の都合上、満点でなくても正答としてカウントしました)
さすがに大問5の空間図形は正答率が低くなっています。出題されないだろうと決めつけるのがとても危険であることを、このデータは示しています。
別の切り口を。
5教科の中で、もっとも問題数が少ないのがこの数学。
そのため、1問の配点がとても高いです。ほとんどの小問が5点ですからね。ちょっと計算ミスをしただけで、ライバルに5点も差をつけられてしまうのです。5教科の中で、もっともミスに気をつけなければならない教科です。
数学はディフェンス勝負!
グラフは、国語と同じように、正答率が50%を切った場合はオレンジで、30%を割り込んだものは赤系で着色してあります。
数学は、オレンジ問題(=国語の特集記事では、これを差のつく問題と呼びました)が少ないですね。つまり、数学では差がつく問題があまりないということです。ということは、やはり誰もが得点できる問題で取りこぼしたりすることのないようにしなければなりません。
大事なことなのでもう一度。
数学はディフェンス勝負!
不思議なことに、数学ではオレンジより赤系問題のほうが多いんですね。真っ赤、つまり正答率が10%を切っている問題が、なんと3問もあります。
正答率0.2%!?
37564名の中でも正解できた受験生は 75名ほどしかいない(笑)。
これはひどすぎますよ、県教委の先生方。難易度設定、間違えましたね!?
番外編 0.2%への挑戦
こちらが、正答率 0.2%の伝説の難問です。
下図の平行四辺形ABCDにおいて、点P,Qは中点。PQRSはひし形です。
初手が、最大のポイントです。
最初に、何をするべきか・・・?
点PからGDに引いた垂線PHの長さがわかればいいのだ、ということに気づくことができれば道は開かれます。そう、最初に補助線を引くのです。
①教科書P192大問9の考え方を使ってDHを求める
②三平方の定理からPHを求める
③△GPF∽△GSFであることからFSを求める
という流れ。あれ?案外カンタンそうだぞ。
前期選抜本番の緊張の中、「初手・垂線PH」に気づけるかどうか。それが運命の分かれ道になるでしょう。
実は、補助線を引くというテクニックは、千葉県公立入試でよく見かけるものです。たとえばこちら、2017前期選抜大問4(2)より。
下図で△ABCと△ADEは正三角形、△AEC≡△ADBです。
これについても、頂点AからDEに垂線を引くことに気づけば・・・
(図が歪んでしまってごめんなさい笑)
あとは、三平方の定理の計算ミスさえなければサクッと解けます。
ちなみに正答率は 1.0%。
補助線に気づけた人は、ニヤニヤが止まらなかったでしょうね。
上位校を目指す受験生のみなさん、困ったときは
(・・・! 補助線を引いてみよう!! )
と発想できたらいいですね。
これは、関数でも使えるテクニックですよ。
補助線を引くという切り札を持っておこう!
千葉県公立入試は基礎力重視で!
以上、前期選抜の数学についての特集でした。
ここまで見てきたとおり、この教科はミスをしない限りライバルとあまり差はつきません。あなたの解けない難しい問題は、ライバルたちも解けていませんからね。
だからこそ、数学は攻めるというよりディフェンス重視です。これは、この教科が得意な人も、肝に銘じるべきです。数学も、基礎力重視です。途中式をおろそかにする人は、ここぞという場面で失敗しますよ。丁寧にね。
また、出題傾向が変わることもあり得るので、受験勉強の決めつけはしてはいけません。関数と平面図形を中心に進めていくのは良いのですが、けっしてそれだけにならないように。
数学は波の激しい教科です。目先の結果に一喜一憂しないで、地道にコツコツがんばっていきましょうねー。
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