なまはげおじさんです、こんにちは。
君津のさくら塾のブログへようこそ。
気になるニュースが入ってきました。
公立入試、大改革!?
読売新聞が昨夕報じた公立高校入試についてのニュース、ご覧になりましたか。Yahooでも話題になっていました。こんな記事です。
公立高受験「単願制」見直し、複数校の志望可能に…石破首相が「デジタル併願制」検討指示
石破首相は22日、公立高校の受験の障壁を減らすため、一つの高校しか受験できない「単願制」の見直しに向けた検討を関係省庁に指示した。受験生が順位をつけて複数校を志望し、共通試験などの結果に応じてその中の1校に合格する仕組みを想定している。高校授業料無償化で私立校人気が高まる中、公立校を選びやすくする狙いがある。
政府が検討を進めるのは、受験生が複数の高校の志望順位を提出した上で共通試験などを受験し、システムが試験結果に内申点などを加味して、合格基準を超えた学校の中から志望順位が最も高い高校を割り当てる「デジタル併願制」。通常の併願制に比べ、受験生が複数の学校で試験を受けずに済むほか、複雑な合否判定をシステムで一元的に行えるなど、学校側の負担も少ない利点がある。
単願制は大半の都道府県で採用されているが、経済力への不安から公立校を希望する家庭の受験生や、公立の進学校や伝統校への進学を目指す受験生らが、不合格を回避するために難関校に挑めないなどの課題が指摘されていた。デジタル併願制では、最終的に自身の成績に合った高校に合格するため、難関校への受験を尻込みせずに済む。
同様の仕組みは、米ニューヨーク市の入試など海外で活用されているほか、日本でも保育所の入園調整に使われている。首相は22日の「デジタル行財政改革会議」で、「メリットや現場の課題を考慮し、希望する自治体での事例創出の具体化を図ってほしい」と述べ、文部科学省やデジタル庁に対応を要請した。
入試制度は各都道府県の教育委員会に委ねられており、政府はシステム開発などを担いつつ、意欲のある自治体での試行実施を経て、広く採用を促していく。
高校の授業料は公立校が今年度から、私立校が来年度から実質無料化され、施設などの整った私立校を選ぶ受験生が増えるとの指摘がある。政府は公立校を受験しやすくすることで、公立離れを防ぎたい考えだ。
読売新聞
読売新聞はこんなイラストもつけ加えています。

ふぅむ。
・出願書類に志望順位も登録
・共通試験などを受験
・システムが自動的に進学先を割り当てる
という『デジタル併願制』をやってみませんか。そう石破首相が文部科学省とデジタル庁の役人に声をかけた、という記事ですね。
もしもこの『デジタル併願制』が実施されたら、どんな変化が起きるでしょうか。
ちょっと考えてみましょう。
【中3生(=受験生)】朗報
○志望校を1校だけに絞り込む必要がなくなる
模試の結果が悪かったので熱望校をあきらめる……なんてことがなくなるので、入試当日まで高い意欲で受験勉強に打ち込める。
○公立不合格がなくなるかも
上から順番に高校ををあてがわれていくイメージなので、上位層・中位層は必ずどこかの公立校に合格できるようになる。滑り止めの私立高に進学することがなくなる。
△「公立第2志望校」に進学する可能性がある
まさかの場合に備えて、3~4校を見学する必要が出てくるかも。
△倍率に関するデータの意味がなくなる
どれだけの結果を残せたら合格できるのかがわからなくなるので、直前期はかなり不安になるかも。
【公立高校】超のつく朗報
○業務削減になる
高校の先生方が直接的に合否判定に関わることがなくなるので。ボーダーラインの受検生のうち誰を選ぶかという会議もなくなる。『定員内不合格』もなくなるかも?
○生徒が増える
特に定員割れに悩んでいた郡部の高校は、活発な学校に戻るチャンスになる。
△高校のカラーを出しにくくなる
シンプルなものでないと「システム」の構築が不可能になるだろうから、合否決定基準のスリム化を迫られることになるはず。『2段階選抜』はなくなるかも?
【地元地域】朗報
○地域に活気が戻る
生徒が戻ってくれば、公立校の廃校も減る。地元企業に就職する若者も増えるかも。大災害発生時の避難先として校舎を利用することも期待できる。
【私立高校】大打撃
○入学者数がより早い段階で確定する
『滑り止め』として使われなくなるので、1月末にほぼ決定になる。次年度の経営計画が立てやすくなるかも。
△受験生が減るので減収に
『滑り止め』として使われなくなるので。
例えば、今冬の入試で2,253人が受験した木更津総合の場合、実際に入学したのは717名。入学しなかった 1,536人は、『デジタル併願制』が実施されていたらそもそも受験しなかったことになる。受験料は¥18,000なので、
¥18,000×1,536=¥27,648,000
の収入が失われることになる。
△生徒が減る
『滑り止め』として使われなくなるので。生徒が減れば活気がなくなり、魅力の低下につながり、次年度以降の受験生の低下に直結してしまう。悪循環。
△学年上位層のタマゴがいなくなる
『滑り止め』として使われなくなる、すなわち公立不合格者の入学がなくなる。県千葉・千葉東・木更津などを目指していたが涙をのんで地元私立校で踏ん張る、そんな生徒がいなくなる。
千葉県は、公立高校の定員割れがひどく多くなっています。どうすれば解決できるのか、私のような立場の人間でさえ悩んでしまうほどです。
この石破首相の『デジタル併願制』というアイディアは、その有効な解決策になりそうです。私にはキラキラしたものに思えます( ← 素直で単純なおじさん)。
採用されてほしいなぁ。
それも、できるだけ早くに。
頑張れ、総理(ねっとり声で)。
25/04/24 追記
文科省はあまり乗り気ではないようす『公立高入試で「デジタル併願制」検討へ 自動的に合格先割り振り』
それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
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