なまはげおじさんです、こんにちは。
君津のさくら塾のブログへようこそ。
中1・中2生とその保護者の方に向けたコラムです。
勉強しようよ中学生
今日は、公立高校入試の学区制にスポットを当てます。

千葉県民は、全員が、
同じシステム
同じルール
で公立高校入試に挑みます。
しかし、実際には、その競争の激しさは住んでいる地域によってまるで異なっています。
昨日の記事で特集した確定倍率、学区別の平均倍率をまとめました。
コチラです。

第1~3学区が高倍率、
第5~8学区は定員割れ。
グラフにしてみました。

都市部と郡部で、平均倍率がまるで異なっていることがおわかりいただけるでしょうか。
都市部の傾向
高校入試に関して、都市部の特徴を挙げてみます。
・人口;多い
・公共交通機関;充実している
・高校の数;多い
・中学受験経験者;いる
・我が子の学習に対する関心;高い
人口が多いので、公共交通機関も発達しているし、学校の数も多いわけですね。
高校の数が多いということは、志望校選択の幅が豊富ということです。特に、偏差値55以上の公立高校が多くある点は、本当にうらやましい。
「A高校を目指していたけど、倍率が高いから、1つランクを下げて(=偏差値で2~3程度下げて)、B高校に志願変更しよう」という、当たり前の選択が可能なんです。
選べるって、贅沢ですよねぇ。
中学受験の経験者が公立中に複数いるのも、都市部ならではです。
高い基礎学力を持ち、高校入試でリベンジを果たそうと意欲に燃えている人が、学年最上位層を形成します。その学習に対する「熱」が波及するのでしょう、上位層のレベルがかなり高いのが特徴です。
定期テストの問題を見せてもらったことがあるのですが、こちら郡部とはレベルがまるで違っていて、大変驚いたことを覚えています。
保護者も、学習や進路への関心が高い人が多いようです。難関大学や有名大学へ進学するには、どの高校を目指すべきか、どの塾を利用すべきか、どの教材が我が子に合っているかなど、情報収集も活発とのこと。
昨日の記事に掲載した、『高倍率ランキング』をもう一度。

第1位から第9位までは、すべて都市部の高校です。
都市部では、進学実績のある人気校にハイレベルの受験生が集まり、激しいたたかいになっているのです。
郡部の傾向
郡部の特徴を考えてみます。
・人口;多くない
・公共交通機関;貧弱
・公立高校の数;多くない
・中学受験経験者;ほぼいない
・我が子の学習に対する関心;ほどほど
第5・6・7・8・9学区は、どこも人口は減少傾向。
気軽に利用できるほどバスの便数は多くないので、移動はマイカー前提です。
人口が少ないので、高校の数も多くはありません。定員割れの続いた公立校の統廃合も進み、親世代より校数は減っています(第9学区でも、上総や鶴舞桜が丘がなくなりましたね)。
中学受験を経験している人はほとんどいません。地域に進学を重視した中高一貫校がないからです。
保護者の学習や進路に対する関心は、都市部に比べるとそれほど高くはないように思います。勉強より部活動に時間もエネルギーも注いでいるご家庭が多いかも。
第9学区は、公立高校の数も学科の種類もそれなりにあります。しかし実際は、レベル差のバランスが悪いため、志望校の選択は限られます。「1つランクを下げて(=偏差値が2~3下の高校へ)」が難しいんです。
第1学区では、県千葉から「1つランクを下げて」千葉東にすることができます。第2学区では、県船橋から「1つランクを下げて」薬園台や小金にできます。
第9学区では?
木更津から「1つランクを下げ」ようとしても、該当する学校がないんです。
『Vもぎ』の進学研究会によると、『合格可能性60%偏差値』が 50 を超えているのは、第9学区の公立高校には1校しかないんです。
いいですか、第9学区には、50から下に多くの学校が並ぶのに、50から上はほとんどないんですよ。おそろしくバランスが悪いでしょ?
「1つランクを下げて」という選択ができるのは、第9学区では中堅下位校に限ってのお話。
千葉市の公立高校に挑戦する手もあります。
しかし遠い、遠いんです。
詳しくはコチラの『【2023年版】君津駅から短い時間で通える公立高校はどこだ!?』をご覧ください。
家を出てから学校に着くまで、だいたい1時間半はかかります。毎朝早起き。第9学区北部の市原市に住んでいるならまだしも、南部の君津市から千葉市に通うのは本当に大変。
郡部の中学生は、都市部に比べると高校選びの選択肢が狭いのです。地域格差があると言って差し支えないでしょう。
地域格差
公立高校入試の確定倍率を、都市部と郡部という切り口で考えてきました。
すでに格差がひどいことになっていますが、これが将来の大学進学まで大きく影響しているのをご存知ですか。
下図は、総務省統計局が発表した、国勢調査、市区町村別の「短大・大学卒業者の割合」です。

これは平成22年発表の10年ほど前のデータなので、おそらく今はさらに格差が広がっているはず。
学区別の平均倍率と、短大・大学卒業率が、怖いくらい一致しています。
勉強しようよ
郡部の中1・中2のみなさんへ。
都市部と郡部の格差を埋めるのは簡単なことではないけれど、部活だけとか、スマホばっかりといった今の生活を続けていると、都市部の生徒にどんどん差を広げられてしまいます。
特に、将来、大学進学したいあなた。
未来のライバルは、あなたの中学校にはいませんよ。
都市部にいます。
勉強、バリバリやってますよ。
本気で勉強に向き合いませんか。
すべては自分の未来のために。
以上、確定倍率から考える都市部と郡部の格差についてのお話でした。
それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
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