なまはげおじさんです、こんにちは。
君津のさくら塾のブログへようこそ。
中学生向け記述問題のお話。
入試で減点されない文を書こう
中学生のみなさん、あなたは文を書くことは得意ですか。
うーん、あんまり……
むしろ苦手ッス
うむむ。文を書くことがあまり得意ではないという中学生、実は多いんですよ。
記述問題
しかし、高校入試では文を書く問題(記述問題)が必ずあるので、苦手なままにしておくわけにもいきません。
国語だけではなく、理科や社会でも記述問題が出題されています。
例えば、千葉県公立入試、理科。
あ、これは!
1年の教科書の!
わかる、わかるぞ!
(カリカリカリカリ)
文がおかしい、✗
ガーーーン
本当はわかっているのに、おかしな文だから減点とか表現が不適切なので0点なんて本当にもったいない!
記述問題では、減点されない文を書く力も必要なんです。
おかしな文の特徴
ここで、減点対象になりやすい「おかしな文」の5つの特徴をご紹介します。
主語と述語がねじれている
例)私の好きなマンガは、「ダンダダン」が好きだ。
接続語
適切な接続語を使えていない
語彙
適切な言葉を選べていない
例)化学反応して白いやつが出てくる。
漢字
適切に漢字を使えていない
例)消ひ税は10%である。
語尾
「~だ」「~です」の不統一
例)…です。私はそれに賛成だ。
この5つが「中学生やらかしポイント」。減点されている文は、間違いなくこのうちのどれかが入っています。
5つ混ぜるとこんな感じ。
「私が好きなマンガは、『ダンダダン』が好きだ。なので、アニメのやつもたのしみにしています。」
どうですか。読んでいて、何というか、頭痛がしてきませんか? そりゃ減点もされますって笑
接続語
おかしな文の5つの特徴のうち、もっともやらかしがちなのが、接続語。
説明をする前に、まずは次の問題を考えてみてください。
・私は国語が苦手だ。
・勉強時間を増やすつもりだ。
「国語が苦手」→「勉強時間を増やす」という関係ですから、順接でつなぐだけ。
あてはまる答えは1つではありません。いくつか例をあげますね、あなたの考えに近いものはあるかな。
ア;私は国語が苦手だ。
だから、
勉強時間を増やすつもりだ。
イ;私は国語が苦手だ。
なので、
勉強時間を増やすつもりだ。
ウ;私は国語が苦手なので、
勉強時間を増やすつもりだ。
実は、この3つ、すべてが正解というわけではありません。「おかしな文」が混ざっていますよ。気づけたかな?
ア~ウのうち、入試でマルをもらえないのはどれでしょう?
答え。
入試でマルをもらえないのは、イ。
イ;私は国語が苦手だ。
なので、
勉強時間を増やすつもりだ。
……という表現は、正しくありません。入試では、減点(=またはバツ)になります。
「なので」は注意
このエリアの中学生だけなのかな、やたらに「なので」で文をつなぐ人が多いんですよ。
「なので」は要注意。
使う場所に制限アリです。
文頭に「なので」と書いてはいけません。
理由は、国文法で説明できます。
「なので」は、
・断定の助動詞「だ」
・接続助詞「ので」
を組み合わせてできている語。
だので → なので
ここで気づいてほしいのは、助動詞も助詞も『自立語』ではない、ということ。
※『自立語』とは、その語の意味がわかるもの。名詞・動詞・形容詞・形容動詞・副詞・連体詞・感動詞・接続詞があてはまる。対になる用語は『付属語』、助詞と助動詞があてはまる
自立語が含まれていれば『文節』になるので、その語だけを単独で使っても問題ありません。
例えば、「心配なので」は、
・形容動詞 「心配な」
・接続助詞 「ので」
の組み合わせです。
『自立語』である形容動詞が含まれているので『文節』になります。だから「心配なので、」と書いても問題ない、ということになります。
では「なので」は?
もうわかりましたね?
「だ」は助動詞
「ので」は助詞。
どちらも自立語ではありません。だから「なので」は『文節』にはなれないのです。つまり、「なので」を単独で(=文頭に)使ってはいけないのです。
もう一度 イ の文を見てみましょう。
イ;私は国語が苦手だ。
なので、
勉強時間を増やすつもりだ。
文頭に単独で「なので」が使われていますよね。まるで「なので」だで『文節』であるかのように。
これはダメ!
ウの文は文頭ではないのでOKですよ。
ウ;私は国語が苦手なので、
勉強時間を増やすつもりだ。
前の文のお尻にくっつけるなら問題ナシです。
中学生のみなさん、文頭の「なので」はやめましょう。学校の定期テストでは見逃してもらっているかもしれませんが、入試の採点は厳しいですよぉ……。
社会人になって『……である。なので、……』なんて書類を作っちゃったら、人事部が「なんでこんな人を雇っちゃったんだろう」と盛大な溜息をつくことになりますよ。
以上、記述問題のポイントと、「なので」についてのお話でした。
それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
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