地域の財産、木更津高専【後半】

千葉県の高校入試
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なまはげおじさんです、こんにちは。
君津のさくら塾のブログへようこそ。

木高専の特集記事の続きです。
 
 
 

勧めづらいよ木高専

前回の記事では、木高専の良いところにスポットライトを当てました。「木高専は、高いレベルの教育を受けることができ、就職にも進学にも強い」。

「地元の人間として強く推したい学校」とまで書いたのですが、実は、さくらっ子に木高専を強く勧めたことは一度もないんです。14年もやってるのに。
 

木高専は、中学生に勧めづらいポイントがいくつかあるんですよ。勧めにくい理由をまとめてみますね。
 
 
 

△工業の専門校だから

これは、工業高校(や農業高校)についても言えることですが、高専を選ぶということは、自分の将来の職業を工業に関することに決めるということでもあります。

これが大きい。
 
 

大人のみなさんにお聞きします。

あなたは、15歳のときに、どんな職業を目指していましたか。

そして、イメージしていたとおりの職業につくことができましたか。
 

YES、と答えることのできた方は、そんなに多くないはずです。
 
 

15歳の頃は、将来の職業なんてほとんど考えていなかった人がほとんどでしょう(私もそうでした笑)。

15歳って、近い未来のことで頭がいっぱいで、就職するところまでは考えが至らないものだと思うんです。木高専を志望している人の中でも、将来の仕事が工業系になることをあまり考えていない人もいるかもしれません。

高専を勧めるということは、工業系のお仕事を勧めるのと同義。数学や理科が得意な生徒だからといって、軽々しく高専進学を提案することは私にはできません。
 
 

それに、中学を卒業してから出会う人や、体験することなどによって、興味や価値観は大きく変化します。1週間ごとに志望学部や将来就きたい仕事が変わるなんて、高校生年代の若者にはよくある話です。

木高専に入学してから、工業系ではない職業に強く惹かれてしまったら、進路変更は大変なものになってしまいます。
 
 

だから、木高専はさくらっ子に勧めづらいんです。
 
 
 

△留年しやすいから

木高専を中学生に勧めづらい理由、その2。

木高専って、定期テストが厳しいんです。
 
 

多くの高校は、定期テストの合格ライン(いわゆる赤点)が、30点前後です。

赤点を越えられなかった場合、例えば29点では「2年生に進級させてあげられません、もう一度1年生をやり直してね(=留年)」となるわけです。
1学年下の生徒とクラスメイトになるのは恥ずかしいという理由で、学校をやめてしまう(退学)ことも。
 
 

木高専の赤点は、30点ではありません。

60点です。

50点程度では、進級させてくれないんです。ちゃんと基礎・基本を身につけないと、卒業させてくれないんです。いやぁ厳しい。

だからこそ木高専の卒業生は「質が高い」と評価されるわけですが、……それにしても60点はラクなハードルではありません。実際、木高専では、留年する人の割合が普通の高校に比べると高いです。
 
 

だから、木高専はさくらっ子に勧めづらいんです。
 
 
 

△入試システムが独特だから

木高専を中学生に勧めづらい理由、その3。

それは、下の画像に詰まっています。
 
 

 
 
これは、令和7年度の推薦入学者選抜の資料です。500点満点で順位付けして、上位から順に合格になります。

なんと全体の70%にあたる350点が、「内申点」で占められてるんです。「面接」と「適性検査」では、ほとんど差はつきません。実質「内申点」勝負なんです。出願した時点で、合否が決まるようなもの。

その「内申点」の算出方法が、
(2学年の5段階評定)×(3学年の5段階評定)
と実に独特。
 

保健体育が、2年も3年も「5」だったAくんと、2年連続で「3」だったBくんとで、考えてみましょう。

2人が公立入試に挑戦するなら、
 Aくん 5+5=10点
 Bくん 3+3=6点
なので、差は4点。これくらいなら、Bくんの挽回は十分可能です。

しかし、木高専の算出方法だと、
 Aくん 5×5=25点
 Bくん 3×3=9点
となります。たった1教科で、16点も差がついちゃうんです。

木高専に憧れる理系少年の中には、Bくんのように、保健体育を苦手にしてる子もいるかもしれません。音楽がまるでダメな子もね。

木高専には理系科目にキラリと光るものを持っている中学生にこそ進学してほしいのですが、この算出方法でそれがうまく機能するか、大いに疑問です。
 
 
 

高専って、どこもこんなおかしな算出方法をやってるのか。調べてみました。
 

東京高専の推薦入学者選抜はコチラ。
 
 

 
 
「内申」が全体の70%なのは木高専といっしょですが、「内申点」の算出方法が異なります。

・第3学年の成績しか使わない
・数理英を重視

この算出方法、いいですよね。例にあげたBくんのような保健体育で「3」の人も、十分勝負できます。
 
 
 

群馬高専の推薦入学者選抜はコチラ。
 
 

 
 
全体の約9割もを「内申評価点」が占めます。その算出方法は、

・第2学年,第3学年の成績が対象
・国社数理英のみ

といういたってシンプルなものです。これならBくんも(以下略)。
 
 
 

木高専の「内申点」の算出方法、独特すぎやしませんか。

だから、木高専はさくらっ子に勧めづらいんです。
 
 
 
 
 

以上、木高専の特集記事、あえてネガティブな部分に焦点をあてて、後半としました。

髪を染めてても怒られないから、私服登校だから、なんて理由で目指すのではなく、ぜひ特集記事の後半についても理解した上で、地域の財産・木更津高専を目指してほしいです。

それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
 
 
 

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