蒸し暑さに負けそうななまはげおじさんです、こんにちは。
君津のさくら塾のブログへようこそ。
今日は、公立高校のお話。
公立高校、スマホ解禁へ
携帯型トラブル製造機ことスマホ、
高校でも先生方を悩ませています。
授業中にこっそりいじったり、
トラブルのきっかけになったり、
校外の危険な交友につながったりと、
スマホから始まる面倒ごと、みなさんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。このあたりにも、歩きながら、自転車に乗りながら、スマホをいじるのに熱中している高校生をよく見かけますものね。
当然、高校の先生方もスマホには縛りをかけています。スマホのルールですね。
持ち込んではいけない学校、
朝預けて放課後返却という学校、
生徒に任せている学校などなど、
実にさまざま、その高校のカラーを感じられます。
スマホ持ち込み解禁へ
さて、県教委が、先日公式サイトでこんなことを発表しました。
県教育委員会では、全県立学校にWi-Fi環境を整備することにより、生徒の所有するスマートフォンやタブレット等を、通信料を負担することなく接続できるようにし、令和4年度4月からICT機器を活用した授業(いわゆるBYOD)を推進します。
令和4年度4月から、
来年ですね
千葉県立の学校で、
公立高校・特別支援学校・県立千葉中など
生徒がWi-Fiを利用できるようになります。
スマホの持ち込みが正式に解禁されるということですし、授業でもガンガン使うことになるようです。おそらく休み時間の利用も可になるのでしょう。
未来が、未来がやってきちゃいましたよ。
BYOD
文部科学省は、「学校のICT環境整備状況は脆弱かつ危機的な状況」「学校におけるICT利活用は世界から後塵を拝している状況」「子供の学校外でのICT使用は学習外に比重」と分析し、『GIGAスクール構想』を打ち出しています。※『GIGAスクール構想』についてはコチラをどうぞ。
そこで脚光を浴びるようになったのが、BYODという言葉です。Bring Your Own Device、自分の持っている端末を職場に持ち込んで業務に使用する、という意味です。元はビジネス用語ですね。文科省は、自分のスマホやタブレットを学校に持ち込んで学習に利用しよう、という意味で使っているようですが。
ほら、君津市でも中学3年生はひとりに一台 iPad が配布されたでしょう。あれも『GIGAスクール構想』の一環なんです。
これは楽しみ!
今回県教委の発表したBYODによって、公立高校はどのような変化が期待できるでしょうか。思いつくことから挙げてみます。
授業では、理科の実験で活用できそうです。
場面ごとに写真で記録しどんどんレポートに貼り付けられたら便利ですよね。手書きではなくスマホやタブレットでレポートを作成してもよいのなら、通学電車の中でも作業ができます。作成にかかる時間を大幅に短縮できそうです。
教室で行う集団指導の場面では、BYODの出番はないかなぁ。電子黒板があればそれで十分ですからね。
小学生の授業なら、一人ひとりの考えや意見をスマホやタブレットに入力させて、それを電子黒板に映し出し、考えをさらに深めていく、なんてこともあるのかもしれません。
しかし、高校生は「他人と違うのがコワイ」「悪目立ちしたくない」という思いが強くなるので、そういう形式の授業を嫌がるでしょうし。
課題提出に利用……いやいや、プリントの方が手間がかからないしラクですよ。閉校措置になっているのであれば話は違いますけどね。
うーん、いろいろイメージをしてみたのですが、高校の授業でプラスになるようなことって、あんまり思いつきませんでした。
自学はプラスかな。
放課後に図書室で自習をするのが日課になっている人にとっては、そこで授業動画を視聴できるようになるのがうれしいですね。お家に帰ってWi-Fi使えばいいじゃん、と言われてしまえばそこまでですけど。
部活動や委員会活動も、活用できそうです。
それぞれのプレーフォームを撮影して、それを全員でチェックすることで、コーチなしでも上達スピードを向上させることが期待できます。
高校の公式サイトに委員会のコーナーを設置して、生徒に自由に更新させていくのもおもしろそうです。実現したら、受験生の高校選びの参考になるかもしれません。
これは心配……
公立高校の先生方は、今回のBYOD、どんな感想をお持ちなんだろう。私が高校の教員だったら、うんざりしてるだろうなぁ。
ただでさえ現高1の代から、公立入試の倍率は大幅に低下し、定員割れの高校が激増しているのです。例年に比べると、受験勉強に必死で取り組んでようやく入学できた、という生徒が減っているということ。
これは私の想像ですが、公立高校の授業、ここ数年やりづらくなっているのではないでしょうか。
学習意欲がない、
進路目標を持てない、
基礎学力が不足、
そのため授業についていけない、
そういった生徒が増えているでしょうから。中堅校&下位校でこの傾向は顕著と思われます。
そうした重たい背景がある中での、今回の県教委の発表です。
スマホ持ち込み解禁。
Wi-Fiのない今でさえ、こっそり持ち込んだスマホを授業中にいじりっぱなしの生徒がいるわけで。ゲームだったり、動画だったり、SNSだったり。月末はそういう生徒は減るみたいですよ、通信制限がかかるから。
それが、来年4月から「つなぎ放題」ですよ。
ヤッター、イベ走りまくってガチャ引くぞー!
……こんな困った人がぞろぞろ出てきそう。
授業の規律は下がるでしょう。おおげさに言えば、教室の治安がひどく悪化することになるかもしれません。
おい県教委よ、正気なのか、
そうこぼしている先生方、少なくないのでは。まぁ県教委も文科省のプッシュを受けてしぶしぶなんでしょうけど。
心配なこと、まったく別の視点でもう1つ。
BYODの良いところは、雇用側が労働者にデバイスを購入する必要がない点にもあります。コスト削減です。
つまり、今後、県教委が生徒一人ひとりにタブレットやスマホを準備することはない、ということ。言い換えると、各家庭でタブレットやスマホを購入することになります。
スマホの保有率、10代で87.0%、20代で87.5%というデータがあります。全員が持っているわけではないんですよね、当たり前ですけど。
公立高校に入学するならスマホを準備してください、という時代になるんでしょうか。
以上、学校にスマホを持ち込むことになる、というお話でした。
県教委のサイトへのリンクを貼っておきます。
以前「君津市の小中学生にスマホは必要か」というテーマでコラムを書いたことがありますので、貼りつけておきます。
それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
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