深夜の雷はさすがにマナー違反だと思うなまはげおじさんです、こんにちは。
さくら塾のブログへようこそ。
今日は高校入試のお話です。先日の特集記事の続報です。
高校入試、出題範囲縮小の動き
コロナ禍による休校の影響で、教科書指導を終えることが難しい・・・そのような判断をした都道府県教委が、高校入試の出題範囲縮小を発表しています。
東京・神奈川・大阪・奈良・新潟・長野の6都府県に加えて、埼玉県と北海道でも正式に範囲縮小の発表がありました。
そのようすを、数学と英語に絞ってチェックしてみようと思います。
数学は図形がカット
10日(金)に発表された埼玉県立入試の出題範囲、思いきり短くなっていてビックリしました。数学なんて、こんなことになってますよ。
北海道も同日に発表。負けずにバッサリやってます。
埼玉県も北海道も、3年生で学習するはずの図形領域のほとんどを(北海道はすべてを)カットしてしまいました。相似に円に三平方、どれもが中学数学のスター選手たち。秋から冬にかけて、受験生たちはこれらのスター選手たちと格闘し、図形の基礎力を伸ばしていったものですが、・・・。
今年の埼玉県や北海道の中3生は、こういった図形領域の問題に時間をかけて取り組む経験をしないまま、高校に進学することになるわけです。
苦労しますよ、高校で。
高1の夏明けくらいからかな、授業についていけなくなる生徒が、例年以上に多くなるのではないでしょうか。
大苦戦しますよ、大学入試で。
高3の冬までに、入試でたたかえるだけの学力が身につかない可能性が低くないからです。もし浪人したとしても厳しいでしょう。1つ下の学年の方が、じっくり学習を進められている分、基礎学力が上かもしれませんもの。
埼玉県や北海道の中3生には、学校でも塾でもいいので、3年図形領域の問題にじっくり取り組む経験を積んでから高校に進学してほしいなぁと思います。コロナ世代はダメだなぁ、なんて言われたくないじゃないですか。自分自身の未来のために頑張りましょう。もちろん、受験が終わってからでもOKですぞ。
さて、7月11日(土)現在、県立高校入試の出題範囲縮小を発表している都道府県は8つ。数学についてまとめたのが下の表です。
北海道はさすがに削りすぎでは???
さて、千葉県はどうなるでしょうか。
千葉県はとても保守的で、まわりの県の動きを確認してから決定を発表したり、改革を始めたりするようなところがあります。どうするかは、もうすでに決まっているはず。東京・神奈川・埼玉と出そろいましたから、そろそろ公式発表があるでしょう。あとはエライ人のゴーサイン待ちかな(笑)。
私は「千葉県の数学は、神奈川県と同じで『標本調査』のみカット」になると予想します。さて、当たるかな?
追記 7月13日
山梨県 「標本調査」カット
英語は単文ばかりに?
英語についても表にしてみました。
英文法に注目して、カットされる単元を「✖」で表したものがコチラです。
中3の英文法は、後置修飾が最後のヤマ場になります。『前置詞』・『不定詞の形容詞的用法』に続いて、3年後半に学習するのが、『分詞による後置修飾』と『関係代名詞』です。
簡潔に説明しますね。
The girl is my sister .
その少女は私の妹だ。
この単文に『関係代名詞』を加えると、
The girl who broke that window is my sister .
あの窓を割ったその少女は私の妹だ。
となります。単文の中にもう1つ単文(who broke that window)が入っています。これが複文。
分詞や関係代名詞を封印するということは、作れる英文のほとんどが単文になるということ。長文問題はものすごく作りにくくなるでしょうね。単文だけだと、どうしても幼稚園児の会話文のようになってしまいます。
A The girl broke that window .
その女の子があの窓を割ったのー。
B Oh!
まぁ!
A She is my sister .
彼女は私の妹なのー。
B Wow!
うわぁ!
・・・なんじゃコレ(笑)。
東京都・北海道・埼玉県は、いったいどんな入試問題になるのでしょうか。ぜひ問題をチェックしてみたいです。
肝心の千葉県ですが、「英語はカットなし」と予想します。
ちょっとよくわからないのが大阪府。『分詞による後置修飾』はカットだそうですが、『関係代名詞』については記載がないんですよ。ということは、『関係代名詞』は出題するってこと? どういう順序で学習を進めてるんだろう?
休校措置がまた起きる???
どこの教育委員会も、できることなら入試の出題範囲は縮小したくはないはずです。高校進学後や大学入試など、後々大きな影響を及ぼすことになるからです。
中3生の将来を考えてなのでしょう、「進度の遅れは年内に確実に取り戻すし、出題範囲は縮小しない」と宣言している県もあるのです。
では、そういった県もあることを理解した上で(=県民からの反対意見が多く寄せられる可能性があることも分かった上で)、なぜ、範囲の大幅な縮小を発表したのでしょうか。
これはつまり、中学校の現場のようすを見て、「入試までに指導を終えられないだろう」、そう教委が判断したということですよね。
行事を削減してるのに?
夏休みが短くなるのに?
それでも終わらないの?
・・・・・
!!
そうか、もう一度休校措置を取らざるを得なくなる可能性がある、そういうことか。
授業を進められなくなるときが来る。
だから思いきってグッと短く設定したのか。
うぅむ、確かに東京都には第2波が来ているみたいですもんね。
また休校になるのかなぁ
イヤだなぁ・・・
以上、高校入試の出題範囲縮小についての特集でした。そろそろ来るであろう千葉県教委の発表を首を長くして待ちたいと思います。
それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
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