こんにちは、なまはげおじさんです。だいぶ日が短くなってきましたねぇ。さくら塾のブログへようこそ。
続きもの、最終回です。
↑ 人にものを教えるとき、評価が大切である。
↑ 3つの評価;その1 診断的評価について。
↑ 3つの評価;その2 形成的評価について。
それでは続きでございます。
時系列で考えた場合、3つの評価があります。
診断的評価、形成的評価、そして総括的評価です。
3つの評価 ③総括的評価
総括的評価とは、単元の最後に行う評価のことです。
学習指導全般を通じて、その生徒が(学校ではクラス全体が、学年全体が、という視点もありますね)どれだけ伸びたかを判断するものです。
そして、これが大事な視点なのですが、評価対象は生徒だけではありません。指導者自らについても、しっかり評価する必要があります。これまでの指導がどれだけ有効だったのか、できるだけ客観的に点検するための評価でもあるのです。
総括的評価の具体例
学習における総括的評価の具体例としては、学校の定期テストやさくら塾のブルームテスト(=単元末テスト)などが挙げられます。
定期テストは、総括的評価のひとつの手段です。
このことをしっかり認識なさっている先生の作るテストは、授業で教えたことやワークの問題をもとにした基礎問題ばかりになります。定期テストは自らの指導をふり返る資料なので、これはごく自然なことです。採点結果を分析して、指導法の改善を図るわけですね。
かくいうなまはげおじさんも、ブルームテスト(=単元末テスト)のあとにはひとりで反省会を開いております。もうベテランになってしまいましたが、それでもまだまだ指導力を向上させたいですからね。ひとりひとりについて指導をふり返って、単元の指導全体を分析し、これからの指導に生かすべくメモ書きをパソコンに打ち込んでおります。
おそらく学校の先生方も同じでしょう。経験豊かで指導力の高い先生ほど、定期テストの返却時やテスト明けの授業で、評価をもとにした対応をきっちり行っているはずです。
ここでちょいと毒を吐きますよ。SNS上では、ごくまれに、100点を取らせたくないという理由で、授業で取り上げてもいない私立高校の入試問題から定期テストを作問するような困った方もいらっしゃるようです。おそらく総括的評価という考えが、すなわち指導を省みるという視点が、スポッと抜け落ちてしまっているのでしょう。ありがたいことに、さくら塾近隣の中学校にはそんな先生はいませんけれどね。
総括的評価の特徴
これまでにとり上げてきた診断的評価や形成的評価は、あくまでも学習者の支援に焦点を合わせた活動です。したがって、成績をつけるものではありません。
その点、総括的評価はその性質上、生徒の成績をつけることに直結するところがあります。これが、2つの評価との大きな違いでしょう。
しかし、本来は成績をつけるために総括的評価をするわけではありません。くり返しになりますが、その生徒が学習を通してどれだけ伸びたのかを確認するためであり、指導者が自身の指導をふり返るために行うのが総括的評価です。
ですから、当然評価をするだけではなく、その後が大切です。下した評価に対する対応が必要であるということです。
総括的評価とその対応
定期テストを例に考えてみましょう。
生徒みんながほぼ同じくらいの得点になった、
想定していた通りの平均点になった、
どの大問も得点できている、
そのような結果であれば、特別な対応は不要でしょう。
しかし、
平均点が低い、
特定の大問の正答率がふるわない、
ひどく点数の悪い生徒がいる、
・・・などの結果になってしまったのであれば、放課後に対象生徒を集めるなどして早急に補習を行う必要があります。もし可能であれば、生徒ひとりひとりに異なる対応をとるべきです。そこまでしっかりやらなければ、指導は完結しないからです。
つまり、定期テストは答案返却後が勝負であるということです。
得点ばかりを気にするのではなく、
答案をしっかりチェックすると、
勉強すべき単元を見つけられるはず。
テストは終わっても、学習はまだ終わっていないのです。
しっかりとした対応をとること(調べ直し、理解のし直し、覚え直し、問題演習のやり直し)さえできれば、基礎学力をグイっと伸ばすことができます。そもそも定期テストは、そのためにあるようなものなのです。さくら塾が定期テスト後に『解き直しノート』に取り組ませているのは、これを意識しています。
まとめますと、
総括的評価は、その後の対応こそが大事である、
ということです。
学校現場の現実
ただですねぇ・・・。
中学校という現場の最前線、
そこでがんばっていらっしゃる先生方は、
本当に本当にお忙しい。
放課後は、みなさん、部活動・生徒会活動・クラスの活動の指導や、各種会議の準備や参加、書類の作成などで予定ビッシリのはずです。それらに加えて、生徒の起こすトラブルへの対応や、保護者とのコミュニケーションなど、突発的なイベントも少なからず起こります。
本当は、先生方も、もっと学習指導に時間を割きたいはず。しかし、定期テスト後の補習のような対応は、したくてもできないのが現実です。だからこそ、補習塾の需要があるわけですが。
生徒のみなさんにしたってそう。
放課後に補習をやるからおいで、
と声をかけられたら・・・?
困ってしまう人が多いのではないでしょうか。
部活・部活で忙し過ぎ。
レギュラー争いしている人は特にそうでしょう。
休むわけにはいきませんよね。
勉強も気になるけれど、
最優先は部活だって人、多いのでは。
指導者も学習者も忙しいため、せっかくの定期テスト(=総括的評価)も、その学習効果を十分に発揮できていないのが現状です。
学習が中途半端な状態で放置されてしまっているのです。
そんなことが中学3年間続くとどうなるか。
↑ 平成31年度千葉県公立高校入試・前期選抜のデータ
できる生徒とそうでない生徒の差。
テストを重ねるごとに、どんどん拡大してしまうのです。
これが、日本の中学校の現実です。
部活動
勉強も大事だけど、中学生のうちは部活に熱中させてあげたい
・・・というお考えもわかります。
中学生の今でしかできない経験をたくさんして、
心身ともに豊かな人間になってほしいですものね。
しかし。
部活動だけに全力を注がせるのは危険です。
進路の選択肢を狭めることにもなりかねません。
データがそれを如実に示しています。
またここで毒を吐きますよ。たまに「高校入試なんて、部活を引退してから勉強しても十分間に合う」などという暴言を耳にすることもありますが、そんなことはめったにありません。レアケース。もともとジアタマの良かった人なのでしょう。そんなお話を鵜呑みにしてしまうと、大ヤケドしますよ。中学入試も高校入試も大学入試も、毎日の積み重ねに勝るものはないのです。
お子さんを部活に熱中させるのもよいですが、
総括的評価を客観的に受け止めて、
的確な対応をとる。
このことだけは徹底すべきです。
指導と評価は表裏一体
評価について特集してきました。
人にものを教えるときに大切なことは、
評価である。
学習を始める前の診断的評価、
学習中に行う形成的評価、
学習のまとめの総括的評価。
3つの評価すべてに共通するのは、評価したその後が大切であるということ。いかにしてその生徒を伸ばすか、そのための評価であるということです。成績をつけることだけが評価ではありません。
そのことが伝わったら、この長い長い特集を作成したなまはげおじさんとしては、うれしく思います。
長かったでしょう? 明日はうんと短いのにしようっと。それでは今日はこのあたりで失礼します。
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