なまはげおじさんです、こんにちは。
君津のさくら塾のブログへようこそ。
千葉県公立入試のお話です。
グラフは高止まり
千葉県公立入試の第2次募集について、質問がありましたのでお答えします。
2次募集の定員、
多すぎない?
2259人も募集するの?
いつからこんなに多いの?
多くなりましたよね、2次募集。
そこで、『第2次募集の募集人員』の推移について、調べてみました。
『第2次募集の募集人員』とは、別の言い方をするなら、『4月の入学式の空席の数』です。社会科の教科書っぽく表現するなら、『県教委の供給と県民の需要の差』とも言えるでしょう。
『空席の数』も『供給と需要の差』も、少なければ少ないほどいい。公立高校の運営に対して予算を割り振ったのに(本検査で募集定員を設定したのに)、施設の利用者が集まらず有効に活用できないのであれば、税金の無駄遣いになってしまうからです。
年号が令和になってから、2次募集の募集人員(=定員)はどのように変化してきているのか、グラフにしてみました。
コチラをご覧ください。
一目瞭然、令和3年度入試から、突然グラフは急上昇します。
1000人未満だった2次募集の枠が、2倍に跳ね上がったのです。ビックリですね。
令和3年度入試が行われた年、すなわち令和2年(=2020年)の4月から令和3年の3月にかけて、いったい何があったのでしょうか。思い出してみましょう。
このブログをさかのぼって読んでみました笑
この年、新型コロナの感染が拡大し、世界的な社会問題になりました。日本では、全国一斉で休校措置がとられ、その影響で学校の授業進度が遅れ、教科書指導が終わらなくなり、入試出題範囲が縮小されました。
……しかし、これは公立入試で定員割れが増えたり、2次募集枠が倍増した直接的な理由ではないでしょう。
おそらく、次の2つだと思います。
①2020年4月から、私立高校の授業料が実質無償化されたこと
高1のようすを見て、私立単願にするご家庭が増えたのでは
②千葉県公立入試の制度変更があったこと
前期後期制 → 一発勝負型へ
今の子どもたちは、失敗することを極端に嫌がります。私が中学生の指導に携わるようになってから20数年ほど経ちますが、この傾向はどんどん強くなっているように感じています。
入試で不合格になるのは「絶対に」避けたい、そう考える中3生が多くなりました。そんな彼ら彼女らにとって、一発勝負の入試のあれこれ(受験勉強・倍率・落ちたらどうしようというストレス……)は耐え難いものになっているようです。
令和3年度入試から、不合格になる可能性のある公立入試を避けて、私立単願を選択する人が多くなっています。
メリットその1,友だちといっしょ。
メリットその2,1月で受験終了。
メリットその3,落ちない。
次年度の入試でも、グラフは高止まりになることが予想されます。県教委が本検査の募集定員を大幅に見直さない限りは。
ため息が出ちゃいますね。
ただ、県内には新しい流れが生まれています。千葉市にある敬愛学園・千葉敬愛という2つの高校をご存知でしょうか。
この2校は、この令和6年度入試で、滑り止めとしての入試を廃止しました。本当に入学したい人のみ受験してください、と地域に投げかけたのです。生徒が集まりすぎて大変になったからなのかな。大きな話題になりました。
集まりすぎるほどの人気校といえば、第9学区にも木更津総合がありますが……???
それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
この記事についてのコメント
いつも拝見しております。
失敗を嫌がる これは本当に顕著ですね。小学生のイベントでクイズを出したのですが選択問題のクイズですら正しい答えと確信を得ないと答えられない子が大変多かったです。
今は通信に転校がしやすそうなイメージも後押ししてか退学者が第9学区でも増加していると感じています。あんなに頑張って入った木更津高校だって辞める子少なくはないです。志望校を決める時には、いわゆる学力や偏差値的なものだけでなく学校ごとに規則も授業の展開も高校側が目指す進学の形も違うことを中学生には知って選んで欲しいですし、希望する高校でやりたいことは複数見つけておいてほしいと思います。
奨学生のイベントの件、その場面、容易に想像できます。さぞ大変だったことでしょう。
(むしろ子どものときこそ、たくさん失敗していいのにな。大人になると、リカバリーするのが本当に大変になるんだから笑)
「希望する高校でやりたいことは複数見つけて」というご意見、おっしゃるとおりだと思います。イメージしていたとおりの高校生活にならないことの方が多いんですから。
コメントありがとうございます。