中点連結定理も相似な三角形についてのお話です

学習のお話
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こんにちは、なまはげおじさんです。

君津のさくら塾のブログへようこそ。

今日も中3生向けのお話。
 
 
 

相似な三角形を探すのです

中3生のみなさん、数学の問題を出しますよ。

「相似」の学習を終えているあなた、ぜひ挑戦してください。
 
 

問.下図の四角形ABCDにおいて、点E,Fはそれぞれ辺AB,DCの中点であり、AD//BC//EFである。AD=8,BC=14のとき、EFの長さを求めなさい。

 
 
さまざまなテキストや問題集に掲載されている基礎問題です。受験生のみなさん、ノーヒントで解けたでしょうか。

……じゃぁ答えを発表しますよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 答.EF=11

   

解説です。
 

問題文の「点E,Fはそれぞれ辺AB,DCの中点であり」から、
 
 

中点連結定理かな?

 
 
と発想できたらOKですね。
 

ただし、中点連結定理は三角形に対して使えるものなので、このままでは手が出せません。
 

そこで、補助線の出番です。

補助線を書き込むことで、相似な三角形を探してみるのです。
 
 

例えばこんな感じ。

対角線ACをひきます。
 
 

 
 
上図で、点PはACの中点です。
質問1;これを証明しなさい。

よって、△ABCにおいて、中点連結定理より、
 EP=7

△CADについても同様に、
 FP=4

したがって、
 EF=EP+FP=11

【質問1の解答】
仮定より、 EP//BC だから、平行線の同位角は等しいので、
 ∠AEP=∠ABC
 ∠APE=∠ACB
2組の角がそれぞれ等しいので、
 △AEP∽△ABC
相似な図形は対応する辺の比が等しいので、
 AP:AC=AE:AB=1:2
よって、AP=PCだから、点PはACの中点である。

 
この中点連結定理、シンプルな上にわかりやすいので受験生に大人気です。問題文に「中点」とあるだけで、
 
 

勝った!

もらった!

5点ゲットだ!

 
 
とニヤニヤしちゃう人がいるくらい。
 
 
 

そんなあなたに挑戦状。

さて、できるかな???
 
 

問.下図の四角形ABCDにおいて、点E,Fはそれぞれ辺AB,DCの中点であり、AD//BCである。このとき、EF//BCであることを証明しなさい。

 
 
台形の中点を結ぶと必ず上底・下底と平行になることを証明しろ、という問題です。
 
 

証明なの?

長さの話じゃないの?

ひどい、だまされた!

 
 
……などとふくれたりしないで、中3生のみなさんにはがんばって考えてみていただきたいところ。
 
 

解説は、次の4ステップでいきます。

・ヒント①
・ヒント②
・証明のおおまかな流れ
・証明(=解答例)
 

じゃぁもう一度図を。
 
 

 
 
下にスクロールすると、ヒント①がありますよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 ヒント① どこかに何本か補助線をひきます
  

 
 
スマホの画面ではなく、ノートやルーズリーフでやってみると「あッ」とひらめきがおとずれるかもしれませんぞ。

ひらめきがおとずれなかった人、下にスクロールすると、ヒント②がありますよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 ヒント② こんな補助線をひいてみて
  

 
 
上の図を見て、一気に視界が開けた人、多いんじゃないでしょうか。さっそく証明を書いてみてください。対応する頂点の順に気を配ってね。
 

「いやいや、いまだにわからないッス」というあなた、もうちょっと図を見て考えてみて。

EF//BCになることを証明するんだよ。

つまり、EF//BGであればいい、ということだからね。
 
 

「アカーン」というあなた、下にスクロールすると3つめのヒント、「証明の大まかな流れ」がありますよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

証明のおおまかな流れ
・△FADと△FGCが合同だ!
・だから、点FはAGの中点だ!
・よって、△ABGで中点連結定理が使える!
・EF//BGといえる!
  

 
それでは、証明してみましょう。
 

証明
上図のように補助線をひく。

 
△FADと△FGCにおいて、
仮定より、
 FD=FC……①
AD//CGだから、平行線の錯覚は等しいので、
 ∠FDA=∠FCG……②
対頂角は等しいので、
 ∠AFD=∠GFC……③
①②③より、1組の辺とその両端の角が、それぞれ等しいので、
 △FAD≡△FGC

 
合同な図形は対応する辺が等しいから、
 FA=FG

 
点E,FはそれぞれAB,AGの中点なので、△ABGにおいて中点連結定理より、
 EF//BG
よって、
 EF//BC

 

……となります。
 
 

ふりかえってみると、一番の難所は、やはり補助線をひくところですよね。2本。

それさえできてしまえば、あとは教科書レベルの素直な証明。
 
 

 
 
さて、この補助線の引き方、どういう発想から出てきたと思います?
 
 

与えられている仮定は「中点」だから、きっと中点連結定理を利用するんだろうなぁ

中点連結定理って、相似な三角形のお話だよね

じゃあEFを辺に持っている三角形と、それと相似な三角形をつくればいいのでは?

 
 
……とイメージできるようになれば、補助線をひけるようになると思います。

ファイト!
 
 
 
 
 

以上、中3生向けのお話でした。

それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
 
 
 

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