待つということ

なまはげコラム
この記事は約5分で読めます。

 
 
 
昔の穏やかな梅雨が懐かしいなまはげおじさんです、こんにちは。

君津のさくら塾のブログへようこそ。

今日はコラムです。
 
 
 

待つということ 

さくら塾での待つこと、

そしてご家庭での待つこと、

2つの場面のお話です。
 
 

さくら塾にて 

人にものを教える上で大切なことっていくつかありますが、その中でも待つということはとても大事です。
 

例えば、「これがわからないので教えてください」と生徒が質問に来たとき。 
 

笑顔で考え方やヒントをササッと教えたら、きっと「わかりやすいなぁ」「スッキリできた」と生徒は満足するでしょう。
そんな生徒の表情を見て、きっと私も上機嫌になるはず。
 

しかし、私はそうしません。

生徒が自分で考える機会を、
試行錯誤できるチャンスを、
いわば「伸びしろ」を、
奪ってしまうことになるからです。

伝えたいことはあるけれど、
それをグッとこらえます。

すぐにはヒントを与えません。 
さくらっ子は「意地悪だなぁ」と思ってるかも(笑)
 

どんな言葉をかけるかというと、

「どう進めているの?」
「ポイントは何だと思う?」
「問題文で気になるのはどこ?」

……と、逆に質問しています。
 

生徒は、ちょっと驚いてから、
ポツリポツリと答えはじめ、
……そこから先は十人十色。

何かに気づいたのか、
「あ。」と小声でつぶやいたあと、
礼を言って自席に戻る人もいれば、

しばらく動かなくなる人もいます。
全力で考えているのでしょう。
指先がピクピクと動いていたり、
目やまゆの動きが定まらなかったり、
小声で何かをつぶやいたり。

私は、何も言わず待っています。

窓の外に目をやり、
自習室のようすを確認し、
パソコンのモニターを見つめ、
チラリと表情を観察し、
たまに目を閉じます。
 

ときにはその場で解決せずに、
首をひねりつつ自席に戻る生徒も。

それでも呼び止めたりはしません。

まさに今、考えに考えているから。
基礎力を向上させている真っ最中だから。

さくらっ子もしんどいでしょうし、
私も正直しんどいです……が、
ここはガマン、しばらく待ちます。
 

また質問に来てくれたとき、
そこでようやくヒントを提示します。

自身で考える余地があるヒントを。

そして、私は、また待つのです。
 
 
 

授業でも、私の仕事の大半は待つことです。
 

ホワイトボードの内容をメモするとき。
問題演習で詰まってしまっているとき。
なかなか暗記できずに苦しんでいるとき。

授業中、さまざまな場面で、さくらっ子は首をひねり、うんうん考え込んでいます。

教室の雰囲気がよどみすぎないように明るく声をかけて和ませたりしますが、むやみにヒントを出したりすることはありません。

一人ひとりが、じわじわと成長しているときだからです。

私にできるのは、待つことだけ。
考え続けるさくらっ子を見守ることのみ。
 

さくらっ子自身で考える機会を大切にしたいので、私はできるかぎり待つことを心がけています。

教えることの極意は、待つことなのかもしれません。
 
 
 

ご家庭にて

我が子に苦言を呈することが楽しくてしかたがない。そんな親はいません。

誰だって我が子はかわいいものですし、長所や良いところだけを見つめていたいのではないでしょうか。 
 

幼いわが子がばぶぅ以外のことばを発したら、
 

しゃべったぁ!
えらいねぇー!

 
と笑顔でほめてあげて、

ぷよぷよの足で立つことができれば、
 

立てたねぇ!
すごいねぇ!

 
と、これまた笑顔でほめてあげて。
 
 

時は流れて、我が子も中学生。

昔は毎日のようにほめてあげることができていたのに、最近は言いたくもない小言ばかりが口からポロポロと・・・。
 

もっと勉強しなきゃいけないでしょ?
いつまでダラダラ過ごすの?
あなた自身の未来のことでしょう? 

愛する我が子だからこそ、
自分のこと以上に心配で、
イライラもするし、
ムカムカもするし。
 

でも、一方ではこうも考えてるはず。

もう中学生なんだから、
我が子のこれからの成長を考えたら、
あまり細かく言うべきじゃない……。

そう考えて、グッとこらえてる人、

少なくないと思います。
 

我が子自身が危機感を抱いて、
自分の判断で立ちあがり、
自分なりの計画に沿って、
毎日継続的に、
机に向かうようになるその日まで、
 

(今はじっと待つのみ。)

 
家庭学習に取り組むようになったけど、
何かの壁にぶち当たっているのか、
思うように成績が伸びていかない、
そんなときでも、
 

(今はじっと待つのみ。)

 
子育ての極意も、待つことなのかもしれませんね。

常日頃から待つことを実践されている保護者のみなさまを、私は心から尊敬しております。また、勝手に同志だと信じております。いっしょに胃を痛くしましょう(笑)。
うまいことストレス発散もしてください、お家の太陽がダウンしちゃいけませんから。
 
 
 

それでも待つしかないわけで

強制的に生徒をグイグイ引っ張るのは、実はラクです。

短期的に見れば成果も出やすく、

大人側のストレスもありません。
 

しかし、それは長期的には悪手。

本当の意味での成長にはつながりません。

自分自身で

悩み、
あがき、
考える、

そんな時間こそが、学習の基礎力であったり、人間力であったり、そうした真に大切なものを成長させていくからです。
 

中学生を見守る大人は、待つことを意識しなければなりません。
 

以前の保護者面談で、

「最近意識して我が子と少しだけ距離をとるようにしてみた」

というお話を伺ったことがあります。
 

相当な勇気が必要だったはず、

素晴らしいチャレンジだと思います。

これも、待つことのひとつの形。

きっとお子さんの自律・自立につながっていくことでしょう。
 
 
 

私も頑張ります。

結果を焦って求めるのではなく、

さくらっ子の長期的な成長を意識して。
 

ママンのみなさまに負けないぞー!
 
 
 
 
  
以上、待つこと、というお話でした。

それでは今日はこのあたりで失礼します。どうぞ健やかな一日をお過ごしください。
 
 
 

この記事についてのコメント

タイトルとURLをコピーしました